Book Select 本を選び、本に選ばれる

読んだ本にまつわる話を書き綴っていくことにしました。マンガが大半を占めていますが小説も好き。マンガはコミックで読む派。本は買って読む派なので常にお金と収納が足りません。例年1000冊以上コミック読んでます。ちなみに当ブログのアフィリエイト収入は昔は1000円くらいいった時もあったけど、今では月200円くらいです(笑)みんなあんまりマンガは買わないんだなぁ。。収入があった場合はすべて本の購入に充てられます。

小説(国内)

人類滅亡の脅威は人類の進化からもたらされる。 高野和明/ジェノサイド

作品は2011年に出版されているが、今読むと いけすかないアメリカの大統領がトランプを彷彿とさせて 妙なリアルさを感じる。人類滅亡の脅威は人類の進化からもたらされるっていうお話なのだが、 進化した人類は文字通り人知を超えている、という設定が面白い…

女の内股に刺青。金田一シリーズでやや淫靡な中編。 横溝正史/スペードの女王

推理小説とか本当に読んでこなかったので、 今更なんですが、それだけ楽しみがあると思えば、世の中面白い本だらけ。というわけで、今更シリーズですが、横溝正史の金田一シリーズ、 スペードの女王を読んでみた。 角川から金田一耕助ファイルっていうのが出…

虚構の信ぴょう性を虚構が重ねていく緊張感のある物語。 奥泉光/虫樹音楽集

歴史を語ることの難しさとか、そもそもの歴史の虚構性みたいなものを 意識している作家だと知り、順番としてはおかしいのだけど『東京自叙伝』読んでから、 続けてこっちも読んだ。あるジャズミュージシャンにまつわる思い出と、カフカの『変身』が絡まり合…

東京が東京の歴史を語るのだけど、果たしてどこまで信じられるか。 奥泉光/東京自叙伝

東京の地霊が、幕末の維新から現代までを語るという設定で、 各時代ごとに主人公が変わる。地霊が乗り移る人物が主人公なのだが、地霊は次から次へと渡り歩いていくのだ。その時々の同時代人を通じて描かれる東京なのだが、 あくまでも全てを見てきた東京の…

ちょっと意地悪な仕掛けが施された推理小説。素直に騙された! 筒井康隆/ロートレック荘事件

あゆみBOOKSが好きだったんだけど、 社員が選ぶ売りたい文庫で堂々の1位に輝いたのがこの作品。もちろんかなり昔の作品なのだけど、筒井康隆は今なお通用する面白さということ。普段、推理小説は全然読んでいないから、素直に読んで素直に騙されてしまった…

グリコ・森永事件を題材にした今年注目の1冊! 塩田武士/罪の声

第7回山田風太郎賞がグリコ・森永事件をモデルに書かれた『罪の声』に 決定したというニュースを目にして、いつか読むつもりだった本書を手に取った。罪の声作者: 塩田武士出版社/メーカー: 講談社発売日: 2016/08/03メディア: 単行本この商品を含むブログ (…

歴史小説としては、そんなに楽しめなかったのよね。 阿刀田高/獅子王アレクサンドロス

ギリシャ神話や、ホメロス、シェイクスピアなど、 古典的教養モノをうまいことまとめた本を書いてる人、という認識なのだけど 短編の名手だったりもするらしいね。読んだことないけど。で、アレクサンドロス大王のことも小説にしていると知ったので、 無性に…

日本古来の異能者バトル*現代の学園モノ 萩原規子/RDG レッドデータガール

なんとも雰囲気の良い児童文学。 表紙の絵とか装丁から醸し出される佇まいがとても良くて、 いつか読もうと思っていたのをついに読了。山伏や陰陽師など日本古来の人知を超えた力をテーマに、 無自覚にその力を受け継ぐ主人公の女の子の物語。レッドデータっ…

知識を学び、次代へ繋げると言うことは、歴史上凄まじい営み 萩 耿介/イモータル

失踪した兄が残した『智慧の書』に導かれて、 インドへ向かう弟がする不思議な体験。イモータル (中公文庫)作者: 萩耿介出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2014/11/21メディア: 文庫この商品を含むブログを見るウパニシャッドとかショーペンハウエルとか…

ヤン・ウェンリーって日本人の美学を体現する存在なんだな。 田中芳樹/銀河英雄伝説

今、再び漫画化されている銀河英雄伝説。 アルスラーン戦記と言い、田中芳樹ブームが再燃の兆し。で、実際藤崎竜の漫画版コミックを読んだら、 懐かしさマックスで原作を再読してしまった。実に20年ぶりの再読。時空を超えた読書って感じ。銀河英雄伝説 1 (…

40代働く独身女性の焦りや諦念は面白かったよ。作品のテーマとしての震災はどうでもいいや。 桐野夏生/バラカ

震災がテーマの桐野夏生最新作。桐野夏生はなんかダークでドロドロしたもの描くイメージ。 妻は何作か読んでるみたいだけど、自分は初桐野。バラカという少女と周囲の人間の群像劇なんだけど、 若干拍子抜け。いや、確かにどういう話になるのかなーって思っ…

SUPERCARのギタリストだったんだね! もっと書いてほしい。 いしわたり淳治/うれしい悲鳴をあげてくれ

近所の書店でものすごくオススメされてたから、 何も考えずに買ってみた。いしわたり淳治という人も、よくわかってなかったのだけど・・・。SUPERCARのギタリストだったんだね! その後は作詞とプロデュースの方で随分活躍しているみたい。うれしい悲鳴をあ…

生々しいというか、若干生臭いリアリティ。 窪美澄/ふがいない僕は空を見た

物凄くいまさらなのだけど、 本棚整理していたら出てきたから読んでみた。話の筋は高校生が人妻とコスプレ不倫して、 夫にばれて復讐される。で、ネットに晒されて引きこもっちゃったりするわけだ。 ってな話なのだけど・・・。まぁ確かにネットに晒されたら…

他者の視線や評価を意識して演じているとすれば、それはこの本の中の世界と同じくらい滑稽。 筒井康隆/48億の妄想

筒井康隆の処女長編。 作家のシニカルな魅力がちゃんと詰まってる。 やっぱり処女作って作家性が色濃く出てくるんだな。で、本作は誰もがテレビに夢中な世界。 テレビに出ることを夢見ていて、テレビに振り回されている。 街の至る所にカメラが仕込まれてい…

又吉先生おすすめ。脳、意識、宗教、エロ、テロ、右傾化、そんな感じのキーワードてんこ盛りで同時代性抜群な作品。 中村文則/教団X

いま、話題の書。 ピースの又吉が面白いって言ったとかで、 ネットのニュースになってみたり。中村文則は若手の実力派で、色々書いてる。 気にはなってたけど、これが読むの初めてです。教団X作者: 中村文則出版社/メーカー: 集英社発売日: 2014/12/15メディ…

キャラの魅力で突っ走るある意味単純なお話だけど、読んでて気持ちいいんだよね。 田中芳樹/アルスラーン戦記

荒川弘のマンガ化で俄然盛り上がっている『アルスラーン戦記』、 何が驚いたって、まだ原作は完結していないってこと! どんだけ遅筆なんだ。でも原作もいよいよクライマックスに来ているようなので、 マンガ化、アニメ化と合わせて数年のうちに完結するんじ…

普通に良い本なのだけど恋愛小説として読むと最高に笑える。池井戸潤/鉄の骨

ドラマ『半沢直樹』の大ヒットで一躍超有名作家になった池井戸潤。 でも彼はなるべくしてなったと言うか、昔からいろんな業界をテーマにした 面白い小説をたくさん書いている。『鉄の骨』は建設業界を舞台に談合問題を取り上げた小説。鉄の骨作者: 池井戸潤…

作家に取ってもまったく重要でない作品だと思うけれど、それくらい緩い作品も楽しい。 筒井康隆/マッド社員シリーズ

リクルートに請われて書いたものらしいけど、 リクルートの担当はもっと前衛的な物を書いてほしいとか、 言いたいこと言ってたらしく、辟易したみたいな話があとがきに書いてあった。サラリーマンを主人公にした、ナンセンスで皮肉な短編が5本。主人公は更利…

何やってもあり、みたいになっちゃうと何やっても面白くなくなる。 筒井康隆/脱走と追跡のサンバ

『筒井康隆コレクション』の2巻に収録されていて読んだのだけど、 「霊長類、南へ」とはまた違った雰囲気。荒唐無稽でナンセンスなSFって感じ。 でもそう書くと、「霊長類、南へ」も荒唐無稽でナンセンスなSFのはずで、 結局同じじゃないかとなるのだけ…

愚かで滑稽な世界の終わりの物語。 筒井康隆/霊長類、南へ

現在刊行中の『筒井康隆コレクション』の2巻の表題作。 いわゆる「世界の終わり」がテーマで、 筒井康隆自身、このテーマには強い関心があった模様。 作家は一度このテーマで書いてみるべきだとすら言っていた。筒井康隆コレクションII 霊長類 南へ作者: 筒…

下世話で猥雑な物語の中に、生命力を感じる。 平山夢明/デブを捨てに

タイトルと表紙が気になって買ってしまった。 で、短編集で4作品ほど収録されているけれど、 表題作は本当にデブを捨てに行く話だった!!!これが初めて読んだ作品だけど、そこそこ話題の作家さんっぽい。 まぁ、メジャーではないと思うけど・・・。久しぶ…

雑多な知識をエンタメ小説に昇華させる、巧みなトリビア小説家。 中島らも/ガダラの豚

中島らもは、なんとなく読まずに来た。 だから長編小説はこれが初めて。新興宗教や奇跡、超能力といった非科学的なものの化けの皮をはぎつつ、 アフリカの呪術といった非科学的なものの力に襲われる、という構図は良くできている。読後の感想としては、この…

夭折の天才棋士の生涯。生きることとか才能とかを考えさせられる。 大崎善生/聖の青春

29歳でこの世を去った夭折の天才棋士、村山聖の生涯を描く、 ノンフィクション小説。人に勧められて読んでみたのだけど、とても良かった。聖の青春 (講談社文庫)posted with amazlet at 15.04.01大崎 善生 講談社 売り上げランキング: 5,330Amazon.co.jpで詳…

酒飲みは読んどいて損は無いのかもしれないアル中小説。 中島らも/今夜、すべてのバーで

サブカル好きの人達は一通り通過する作家、それが中島らものイメージ。 で、この年まであまり素直に読む気になれなくて、避けて通ってた。連日酒を飲む自分に、友人が勧めてくれたのがきっかけ。 まぁ、とにかくオススメだから読め、と。 そしたら作者自身の…

豊年だ! と思わず叫びたくなる豊かな小説。 志賀直哉/暗夜行路

志賀直哉、名前くらいは聞いたことがあるであろう文豪。 文学史的には白樺派を代表する作家。暗夜行路 (新潮文庫)posted with amazlet at 15.02.05志賀 直哉 新潮社 売り上げランキング: 55,258Amazon.co.jpで詳細を見る でも近代文学史って良くわからないん…

一人の男性が自分の人生を生きるまでの物語。 西加奈子/サラバ!

直木賞受賞で盛り上がっている話題の小説。 西加奈子は書店員とかの評判もよく、 今回の受賞を喜んでいる業界人も多いんじゃないかという印象。 サラバ! 上posted with amazlet at 15.03.12西 加奈子 小学館 売り上げランキング: 302Amazon.co.jpで詳細を見…

日本語の醍醐味と言うシリーズ名に相応しい傑作。石川桂郎/剃刀日記

この本に出会ったのは、本好きなら知っているあの千駄木の有名書店、往来堂書店。 人に連れられ初めて行った時、こんな本があるのかと衝撃を受けた品揃え。 で、そのときの戦利品の一つが、この本。 曰く、シリーズ日本語の醍醐味。 何とも素晴らしいシリー…