Book Select 本を選び、本に選ばれる

読んだ本にまつわる話を書き綴っていくことにしました。マンガが大半を占めていますが小説も好き。マンガはコミックで読む派。本は買って読む派なので常にお金と収納が足りません。例年1000冊以上コミック読んでます。ちなみに当ブログのアフィリエイト収入は昔は1000円くらいいった時もあったけど、今では月200円くらいです(笑)みんなあんまりマンガは買わないんだなぁ。。収入があった場合はすべて本の購入に充てられます。

小説(国内)

普通に良い本なのだけど恋愛小説として読むと最高に笑える。池井戸潤/鉄の骨

ドラマ『半沢直樹』の大ヒットで一躍超有名作家になった池井戸潤。 でも彼はなるべくしてなったと言うか、昔からいろんな業界をテーマにした 面白い小説をたくさん書いている。『鉄の骨』は建設業界を舞台に談合問題を取り上げた小説。鉄の骨作者: 池井戸潤…

作家に取ってもまったく重要でない作品だと思うけれど、それくらい緩い作品も楽しい。 筒井康隆/マッド社員シリーズ

リクルートに請われて書いたものらしいけど、 リクルートの担当はもっと前衛的な物を書いてほしいとか、 言いたいこと言ってたらしく、辟易したみたいな話があとがきに書いてあった。サラリーマンを主人公にした、ナンセンスで皮肉な短編が5本。主人公は更利…

何やってもあり、みたいになっちゃうと何やっても面白くなくなる。 筒井康隆/脱走と追跡のサンバ

『筒井康隆コレクション』の2巻に収録されていて読んだのだけど、 「霊長類、南へ」とはまた違った雰囲気。荒唐無稽でナンセンスなSFって感じ。 でもそう書くと、「霊長類、南へ」も荒唐無稽でナンセンスなSFのはずで、 結局同じじゃないかとなるのだけ…

愚かで滑稽な世界の終わりの物語。 筒井康隆/霊長類、南へ

現在刊行中の『筒井康隆コレクション』の2巻の表題作。 いわゆる「世界の終わり」がテーマで、 筒井康隆自身、このテーマには強い関心があった模様。 作家は一度このテーマで書いてみるべきだとすら言っていた。筒井康隆コレクションII 霊長類 南へ作者: 筒…

下世話で猥雑な物語の中に、生命力を感じる。 平山夢明/デブを捨てに

タイトルと表紙が気になって買ってしまった。 で、短編集で4作品ほど収録されているけれど、 表題作は本当にデブを捨てに行く話だった!!!これが初めて読んだ作品だけど、そこそこ話題の作家さんっぽい。 まぁ、メジャーではないと思うけど・・・。久しぶ…

雑多な知識をエンタメ小説に昇華させる、巧みなトリビア小説家。 中島らも/ガダラの豚

中島らもは、なんとなく読まずに来た。 だから長編小説はこれが初めて。新興宗教や奇跡、超能力といった非科学的なものの化けの皮をはぎつつ、 アフリカの呪術といった非科学的なものの力に襲われる、という構図は良くできている。読後の感想としては、この…

夭折の天才棋士の生涯。生きることとか才能とかを考えさせられる。 大崎善生/聖の青春

29歳でこの世を去った夭折の天才棋士、村山聖の生涯を描く、 ノンフィクション小説。人に勧められて読んでみたのだけど、とても良かった。聖の青春 (講談社文庫)posted with amazlet at 15.04.01大崎 善生 講談社 売り上げランキング: 5,330Amazon.co.jpで詳…

酒飲みは読んどいて損は無いのかもしれないアル中小説。 中島らも/今夜、すべてのバーで

サブカル好きの人達は一通り通過する作家、それが中島らものイメージ。 で、この年まであまり素直に読む気になれなくて、避けて通ってた。連日酒を飲む自分に、友人が勧めてくれたのがきっかけ。 まぁ、とにかくオススメだから読め、と。 そしたら作者自身の…

豊年だ! と思わず叫びたくなる豊かな小説。 志賀直哉/暗夜行路

志賀直哉、名前くらいは聞いたことがあるであろう文豪。 文学史的には白樺派を代表する作家。暗夜行路 (新潮文庫)posted with amazlet at 15.02.05志賀 直哉 新潮社 売り上げランキング: 55,258Amazon.co.jpで詳細を見る でも近代文学史って良くわからないん…

一人の男性が自分の人生を生きるまでの物語。 西加奈子/サラバ!

直木賞受賞で盛り上がっている話題の小説。 西加奈子は書店員とかの評判もよく、 今回の受賞を喜んでいる業界人も多いんじゃないかという印象。 サラバ! 上posted with amazlet at 15.03.12西 加奈子 小学館 売り上げランキング: 302Amazon.co.jpで詳細を見…

日本語の醍醐味と言うシリーズ名に相応しい傑作。石川桂郎/剃刀日記

この本に出会ったのは、本好きなら知っているあの千駄木の有名書店、往来堂書店。 人に連れられ初めて行った時、こんな本があるのかと衝撃を受けた品揃え。 で、そのときの戦利品の一つが、この本。 曰く、シリーズ日本語の醍醐味。 何とも素晴らしいシリー…