Book Select 本を選び、本に選ばれる

読んだ本にまつわる話を書き綴っていくことにしました

世代を超えて愛される作品になれるのか、むしろ連載終了後の展開が気になる。 岸本斉史/NARUTO

昨年、ついに完結したジャンプの大ヒット忍者マンガ。
全部で72巻。
一気に読もうとするとそれなりにしんどいボリューム。
ドラゴンボールが42巻だったことを考えると、長期連載だったことがよくわかる。

NARUTO -ナルト- 1 (ジャンプ・コミックス)

NARUTO -ナルト- 1 (ジャンプ・コミックス)

物語は主人公のナルトが忍びの里の長である”火影”を目指す物語。
ただ、ナルトは両親を早くに亡くしているし、
特別な力のせいで、疎まれ、避けられる経験があるなど、
ちょっと暗い側面もあるのが一つの特徴。

親友のサスケも、ある日いきなり一族が皆殺しになって
復讐に取り憑かれてしまったり、と
改めてその設定を整理していくと結構暗くて、重い。

そして72巻もあるので、その暗さが後半非常にくどく感じるくらい繰り返される。

基本的に物語のメインの時間軸があって、そこに沿ってお話は進んでいくのだけど、
要所、要所で実はねっていう回想シーンに入る。
これがとても上手で、各キャラの行動の背景には
こんなことがあったんですよーと肉付けされることで、
物語やキャラクターに厚みを出している感じ。

その辺の物語の語り口とかはとても上手だと思うのだけど、
終盤になるにつれ、もの凄く文字が多くなってテンポ悪くなる。

結局それだけ文字数費やさないと説明できないような設定が
色々と出てきてしまってるってことなんだけど、
そういう複雑な設定を終盤に畳み掛けるのはいかがなものか・・・
破綻しかけた物語の帳尻を合わせるための設定に見えてしまい興ざめ。

最後の戦いなんか、ラスボスだと思ったら
ラスボスの正体違いました、くらいなら良いんだけど、
正体違うし、真の黒幕出てくるし、そこまでは良いとしても、
今までの話と全然関係ない奴出てくるし、最後にはまたサスケがごねるし・・・。
正直、途中まであんなに良くできていたお話が、
ここまで最後に色々やりだすとは思わんかった。

まぁ、サスケに関しては少年誌にしては珍しいヤンデレキャラの確立、と考えれば
画期的なのかもしれないけど・・・

イデア全部詰め込んじゃったのかもしれないけど、
なるべく削ぎ落としてシンプルな形にしないとダメ。
結局編集も突っ込めなかったのだろうか。

物語の幕の引き方ってのは本当に難しい。
ただ、色んな設定盛り込んで、膨大なキャラクターがいる
1つの世界を作り上げたことは間違いなくて、
この世界からいくらでもスピンアウトは生まれてきそう。

連載終了後の映画化や、NARUTO展の開催など、
終了後の活性化がどのように進むのか、
これは意図的なものだと思うのだけど、
ドラゴンボールのような世代を超えて愛されるコンテンツになれるのか、
コンテンツビジネスの可能性という点でも今後の展開が気になる。

NARUTO -ナルト- 1 (ジャンプ・コミックス)

NARUTO -ナルト- 1 (ジャンプ・コミックス)