Book Select 本を選び、本に選ばれる

読んだ本にまつわる話を書き綴っていくことにしました。マンガが大半を占めていますが小説も好き。マンガはコミックで読む派。本は買って読む派なので常にお金と収納が足りません。例年1000冊以上コミック読んでます。ちなみに当ブログのアフィリエイト収入は良い時で月1000円くらいです(笑)収入はすべて本の購入に充てられます。

名作だったのだけど、諸般の事情で打ち切られてしまった悲劇の作品 伊藤悠/皇国の守護者

佐藤大輔の同名小説のコミカライズ。
1巻出たのが2005年らしく、もう10年も経っていたのかと驚く。
当時月刊誌への連載だったためコミックは半年に1冊程度のペースで、
非常に焦れったい思いをしたのが思い出。

皇国の守護者 (1) (ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ)

皇国の守護者 (1) (ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ)

原作は架空の戦記物で今尚完結していない長編作なのだけど、なぜかこのコミカライズは
序盤の撤退戦が終わったところで打ち切られてしまう。
まぁ、諸般の事情とされているけれど、要するに作家と揉めたのだろう。

話題、人気共にかなりあった所での打ち切りは編集部的にも残念だったと思うのだけど、
ちょっとやそっとじゃ調整の効かない感じだったんだろうね。
現に今もコミックの電子化はされておらず・・・

架空の世界での軍記物だけど、イメージ的には
北海道にロシアが一気に攻め込んできて、
本隊の退却までの時間稼ぎを人員もわずかな小隊が任される。
その小隊を結果的に率いることになってしまったのが主人公であり、
勝ち目の全くない時間稼ぎをひたすら描いて終わり。

というわけで、非常にどんよりとした、爽快感のない物語だったりする。
圧倒的強者に対して、勝利はあり得ない状況で、ひたすら時間稼ぎをする主人公。
なんて地味な設定! 

でもこの皇国の守護者はこの地味で、かつ、まかり間違っても奇跡の大勝利なんて起きない所が最大の魅力。
戦場での駆け引き、張り巡らされた策謀、その辺の緊張感が巧み。

こういう作品を自分の中では「奇跡が起きない物語」としてカテゴライズしている。
例えば『クレイモア』も圧倒的な強者に対して奇跡が起きない物語で、
バトル者特有の爽快感は皆無。

CLAYMORE 1 (ジャンプコミックス)

CLAYMORE 1 (ジャンプコミックス)


7SEEDS』なんかも圧倒的状況に対して主人公たちは全くもって無力。
これらの物語は「あぁ、これは死ぬな」という状況できっちり人が死ぬ。
機械仕掛けの神は降りてこず、世界は主人公たちにとって都合よく回ってくれるわけじゃない。

7SEEDS 1  フラワーコミックス

7SEEDS 1 フラワーコミックス


こういった作品が同時多発的に出てきたのも、時代性なのかしらと思ったり。
そしてこの辺の作品がわらわら出てきてちょっと落ち着いた所で、
出てきて、今も大ヒットしているのが『進撃の巨人』。

進撃の巨人(1)

進撃の巨人(1)

進撃の巨人(1) (少年マガジンKC)

進撃の巨人(1) (少年マガジンKC)


あれは大ヒット&長期連載化でちょっとズレて来てるような気がしないでもないけど、
基本的には絶対的強者に蹴散らされる話であり、意外と「奇跡が起きない物語」でもある。

10年経って読み直してみて、改めてこの閉塞感バリバリの話が結構面白かった。
本来の作品から言えばプロローグ的な部分でしかないので、
原作読んじゃおうかしら、と思案中。。。

皇国の守護者 (1) (ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ)

皇国の守護者 (1) (ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ)