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Book Select 本を選び、本に選ばれる

読んだ本にまつわる話を書き綴っていくことにしました

知的ボーダーという存在を初めて知りました。 沖田×華、君影草/はざまのコドモ 息子は知的ボーダーで発達障害児

色々と障害を持った人々がいることは漠然と知っているし、
その生涯が先天的な場合も、後天的な場合もあることも大抵の人は知っている。

一人では生きていけず、様々な支援が必要となるケースもある。
そのための社会福祉の整備が必要で、色々な支援制度に税金が使われている。
そういった税金の使われ方は個人的には有意義だと思っているのだけど、
逆に言うとまぁ納めた税金の範囲内で国や自治体がうまいことやってくれるだろう、という
ある種の無関心状態に陥りやすい問題でもある。

自分もそんな理解はあるふりをしている無関心層の1人なのだけど、
基本的に制度はそれなりに上手く回っていると思っているのよね。
実態は知らないし、知ろうともしないので。

だからこういった作品で、ある種の実態に触れると、
こんなに難しい問題があるのか、と考えさせられる。

本作品が言う「はざま」とはまさに健常者と障害者の「はざま」のこと。
様々な支援制度の運用上、障害者という定義が必要であり、
それは第3者によって認定できる形での定義が必要だ。

認定されて初めて障害者なのであり、支援の対象になるわけだ。
ではその認定基準にギリギリ満たない人には支援は必要ないのだろうか、という話になってくる。

周囲の支援なしには生活できない程度の発達障害を抱えているのに、
認定基準よりも僅かにIQが上回っているが故に、発達障害認定されない、そんな子供を持つ家族の話。
まさに、「はざま」にはまってしまった状態なのだが、
認定されないが故に国が用意している様々な制度が使えない。
それは金銭的な支援もそうだが、教育制度上の支援の問題も沢山あるようだ。

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例えば支援学級に入れない=普通の子供たちと同じクラスで同じカリキュラムをこなさなければならない、とか。
さらに辛いのは周囲の無理解で、発達障害認定されていないんだから、障害じゃないんでしょ、と言われること。
子供のためを思って支援学級に入れたいという親の希望も、
障害でもないのに支援学級に入れたいなんて虐待だ、と言われる始末。
これ、言われたら親は心折れるだろうな・・・。

専門学校やフリースクールもあるけど、そこには障害者枠の求人が来ない。
支援学級の方に全て回ってしまうから、通うことだけはできるけど、その先がない。

読んでてしんどくなるくらい八方塞がりなんだけど、
周囲の無理解から無駄に傷つくようなことは一番最初に解決できることだとも思う。

要はみんな知らないんだよね。
だから知ってもらうことはとても重要だし、
こういう作品の形で世に出たことはより多くの人に伝える
手段として良いことだと思う。

というわけで、未読の人はぜひご一読を。