Book Select 本を選び、本に選ばれる

読んだ本にまつわる話を書き綴っていくことにしました。マンガが大半を占めていますが小説も好き。マンガはコミックで読む派。本は買って読む派なので常にお金と収納が足りません。例年1000冊以上コミック読んでます。ちなみに当ブログのアフィリエイト収入は昔は1000円くらいいった時もあったけど、今では月200円くらいです(笑)みんなあんまりマンガは買わないんだなぁ。。収入があった場合はすべて本の購入に充てられます。

文章から夜の匂いがする、14年ぶりの新作が発売された伝説の作家の処女長編。 原りょう/そして夜は甦る

原りょうのことを知ったのはつい最近、
早川書房さんのTweetがきっかけだった。

とても寡作な作家らしく、3月に14年ぶりの新作が出たのだ!
これはちょっと気になる、というわけで、今さらながら読んでみた次第。

で、これまで出ている長編は4作品。
今から呼んでも新作発売までに追いつけるわけです。良書との出会いにおいてTwitterって便利だなー。

そして夜は甦る

そして夜は甦る

処女長編は行方不明になったルポライターの捜索を依頼されるお話。
謎が謎を呼び、思いもよらぬ事件へと繋がっていく。

まったく関係なさそうな事件が絡み合う、そこに至るまで物語りは一歩ずつ、だが着実に進んでいく。
その物語のどっしりとした推進力、決して軽快ではないのだけど、力強い推進力もハードボイルド。

そしてラストの意外な結末。

神としての作家の恣意的な力が透けて見えるきらいはあるけれど、
それでもしっかりオチをつける面白さなのだろうし、
そこが気に入らなかったとしても、結論だけが物語の愉しみというわけでもない、とも思っている。

沢崎という魅力的なキャラクター、特に会話などの端々に出てくる
時にシニカルな物言いこそハードボイルドの魅力なんじゃなかろうか。

著者自身もジャズピアニストということもあり、文章から夜の匂いがするんだよね。

愛情や真実や思いやりのほうが、憎しみや噓や裏切りよりも遙かに深く人を傷つけることを考えていた

とか

真実というのは、ばれない噓のことだ──

とか。

難しいこと考えずに、かっこいいぜ原りょう
そして新作がめっちゃ楽しみ。

ちなみに14年ぶりの新作はこちら

それまでの明日

それまでの明日

さて、他の作品も読んでみよう!

そして夜は甦る

そして夜は甦る