Book Select 本を選び、本に選ばれる

読んだ本にまつわる話を書き綴っていくことにしました。マンガが大半を占めていますが小説も好き。マンガはコミックで読む派。本は買って読む派なので常にお金と収納が足りません。例年1000冊以上コミック読んでます。ちなみに当ブログのアフィリエイト収入は昔は1000円くらいいった時もあったけど、今では月200円くらいです(笑)みんなあんまりマンガは買わないんだなぁ。。収入があった場合はすべて本の購入に充てられます。

想像していたよりも幻想的な作風。 H.G.ウェルズ/白壁の緑の扉

バベルの図書館のウェルズだよ。

ウェルズといえば、タイムマシンとか透明人間で著名な作家。
しかしどちらも読んでいない。。。

タイムマシン (光文社古典新訳文庫)

タイムマシン (光文社古典新訳文庫)

透明人間 [完訳版] (偕成社文庫)

透明人間 [完訳版] (偕成社文庫)

そんなウェルズの短編集なのだけど、
科学的なSFの作家っていう印象を勝手に抱いていたのだけど、
どちらかというと幻想小説よりな短編。

白壁の緑の扉は、いつも忙しい時に限ってそういう扉が現れる話。
その扉を開けると、ここではない何処かへ行けるはず、と感じている主人公。
でもどうしようもなく急いでいる時とかにその扉が現れるから結局開けられない。

プラットナー先生奇譚は、先生が透明人間みたく他者から認識されない存在になってしまう話。
違う次元に迷い込む感覚、と言った方が近いかな。
亡きエルヴシャム氏の物語は、
老人と若者が入れ替わり若者は老人に人生を乗っ取られる話。

まぁモチーフは今となってはあるあるというか、って感じなんだけど、
この辺に共通しているのは自分の日常が違うものになっていく可能性の物語だよね。

日常とは非連続な、ディスラプティブな変化が起きるかもしれない、という期待や、
実際に起きてしまった物語。

いつか王子様がやってきて私を幸せにしてくれるという典型的なプリンセス・ストーリーが、
男性依存として批判されるのであれば、
こう言ったある日突然の人生の変化願望もまた根っこは同じ現実逃避な気がする。
それはそれで悪くないんだけどね。