自分たちのこだわりをつめたオリジナル結婚式を
プロデュースする小さな会社が舞台。
ドラマの原作にもなったそうだが、ドラマは見たこと無い。
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鴨居まさねは、一言で言うととても地味。
作品が、地味。だけど、これが滋味に溢れている。
なのでわかりやすい恋愛話とかは期待しない方がいい。
枡野浩一が解説で書いていたけれど、
その小さなブライダル会社の社長は30代半ばの元カメラマン、
副社長は30代の女、二人は婚約状態で付き合っていて、
籍は入れてないけどほぼ夫婦的な雰囲気。
こんな設定だと、いわゆる恋愛話としては盛り上がる訳が無い。
普通なら、客とのドタバタを乗り越えつつ、
二人に愛が芽生え~みたいな話として描かれるってのが王道。
でもそういうことしない。その地味さが面白さ。
だからこそ、ちょっとしたディテールの描写が
きらりと光る作品になってくるんだろうけど。
後半の方は社員のデコラちゃんの方が何かと目立ってきて、
社長夫妻の存在感がどんどん無くなってくる。
なんというか生活の中の惰性がちょろっと描かれるのが
この人の作品のいい所なのかも。
付き合ってても、結婚しても、子供できても、
人生は結構惰性で成り立っている訳で、
毎日毎日ドラマティックなことなんて起こらない。
だらだらと繰り返されていく日常の中で、人は疲れる。
でもまぁ色々なことは惰性でこなしていく。
そういう側面を感じさせる地味=滋味、が鴨居まさねのいい所。
鴨居まさねと言えば、
昔読んだ『雲の上のキスケさん』が良かった気がするなぁ。
あんま覚えてなくて、ただ良かった印象だけだから
また今度読み直してみよう。
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