女vs女の感情の奔流。でもまぁ、１度読めば十分かな・・・ 中村珍／羣青

旦那に暴行され、浮気される日々が続く女が、
自分に惚れてるレズに夫を殺させて、
二人で逃亡する話。

要するに、これは逃避行の話。

なんつーか、絵が重くて、ページ数も多いので、疲れる。
あと、この女、アンジェラ・アキにしか見えない。

羣青 上 (IKKI COMIX)

羣青 中巻 (IKKI COMIX)

羣青 下 (IKKI COMIX)

で、逃避行の最中、２人して喧嘩したり、罵り合ったり、
それでもお互いのことは思い合っていたり、みたいなエピソードが繰り返される。
好きだとか、愛してるだとか、わかりやすい話じゃなくて、
いわく言いがたい感情に迫ろうとしていて、そこはちょっと文学っぽい。
憐憫、同情、諦念、みたいな感情が入り混じったところをオブラートで包んでいるような。

ただもう、整理のつかない感情の起伏に読んでて面倒臭くなるのも事実。
あんま人に勧めようと思う類の漫画じゃない。

ただ、なんだかこんなヘビーな作品描いた人なのに、
漫画家のお金事情とかも開珍しちゃった『アヴァール戦記』なんていうエッセイ漫画も描いてる。

アヴァール戦記 1 (BUNCH COMICS)

こっちの方が読む方も気楽に読めるんだよなー。
まぁ、この振れ幅の大きさが才能だとするならば、
次、どんな物語を描くのかちょっと気になる。

羣青 上 (IKKI COMIX)

羣青 中巻 (IKKI COMIX)

羣青 下 (IKKI COMIX)