舞台は歌舞伎。
主人公は歌舞伎の名家の御曹司。
才能はあるけど特に真剣に向き合うでもなく生きてきた。
そのライバルは歌舞伎に憧れ、努力でのしあがってきたけれど、所詮は一般人。
血筋には敵わないのだけど、それすらも乗り越えようとする。
天才と秀才のライバル関係なのだけど、
当初は競い合うライバル関係が主だったものが、
次第にお互いを必要とし合うバディものに変わっていく感じ。
歌舞伎という伝統芸能を題材にした物珍しさからも
結構話題になってはいたけれど、ストーリーはラノベ的というか、
携帯小説的な展開?
三角関係がこじれにこじれてみたり、
実は隠し子的な展開があったり、
自殺未遂したり、殺人未遂したり・・・。
まぁ韓流ドラマとかにありそうなやつね。
物語は所々で作者のご都合主義が出てきて、
その度にちょっと引くけれど、
そういうの気にしなければそれなりに楽しめる。
才能と努力を対比する物語は常に、
努力型の秀才が優勢で、最後に才能ある天才が努力すると逆転するパターンばかりだけれど、
努力型の秀才が最後に勝つような物語はないもんかね、とも思う。
ちなみにこの人、『月下の君』っていう源氏物語を題材にした作品も描いているんだけど、
そっちはもう訳がわからんくらいのとっ散らかりぶり。
それに比べりゃ『ぴんとこな』は100倍良くできていると思う。
それにしても、歌舞伎ってのは変な世界だよな。
あれだけクローズドな世界で、でも脈々と受け継がれているのがすごい。
もう少しちゃんと歌舞伎を見てみたいな、と思ったので
それだけでもこの作品は成功しているのかも?
歌舞伎界への貢献は大きいのでは。