Book Select 本を選び、本に選ばれる

読んだ本にまつわる話を書き綴っていくことにしました。マンガが大半を占めていますが小説も好き。マンガはコミックで読む派。本は買って読む派なので常にお金と収納が足りません。例年1000冊以上コミック読んでます。ちなみに当ブログのアフィリエイト収入は昔は1000円くらいいった時もあったけど、今では月200円くらいです(笑)みんなあんまりマンガは買わないんだなぁ。。収入があった場合はすべて本の購入に充てられます。

不幸をリセットするために夢が叶う玉を集める、不幸な人達の争い。 小野洋一郎/新説 ブレイブ・ストーリー

宮部みゆきの原作をコミカライズ、なんだけど新説とついているのは原作とはちょっと違うから。

原作読んだことないのでなんとも言えないんだけどね、
宮部みゆきが描くファンタジーってどんな感じなのかしら、と思ってて
お手軽そうなこちらを読んでみた。


見た感じ、思ったよりもファタンジーなのよね。

ただ、同期がひねくれてるのよ。それが面白いんだけど。

不幸な運命を背負った人たちが、
その現実の不幸をなかったことにしようと、
リセットしようとして、5つ集めると自分の夢が叶うという宝玉を集めるって設定ね。

主人公は平和な家庭が、突然お父さんこの人と暮らすとか言って昔の女連れてきて、さよなら。
ヒロインは借金に首が回らなくなって父親首吊り。
ライバル的な友人は一家の無理心中で自分だけ生き残る。

いやー、不幸です。

ただ、一番悲惨なのはどう考えてもライバルの友人だよね。
別にお父さん不倫、ていうか昔の女と暮らしたくなっちゃったくらい、
自分以外の家族が無理心中で死んでしまったことに比べればいいじゃないの、と思ってしまう。

ただ、不幸は常に自分にとっての不幸なのよね。
出ていったお父さんにとってはそれが幸せかもしれないけれど、
主人公にとっては不幸なのだろう。
幸せかどうかは主観だからね。
みんな主観で不幸になってる。

で、その主観的不幸を無かったことにしようと、みんな私利私欲で動いてるってのが、
ちょっとした苦味になっていて、物語の深みを増している気がするよね。

そもそもやり直したからと言ってうまくいくもんなのかな。
あの時もっとこうしていればって思う気持ちはわからないでもないが、
大抵、うまくいかないものはうまくいかない構造が出来上がっているから、
よほど頑張ってその仕組みを変えない限り、遅かれ早かれ破綻すると思うのよね。
ま、物語とは関係ないけど、そんなことを思ったりもした。

原作読んでないからなんとも言えないんだけど、
やっぱりマンガはマンガというか、マンガとしての面白さに
縛られてしまうってことを漠然と感じたのよね。

もともとこの作品においてバトルシーンはどうでもいいと思うんだけど、
マンガとしてはバトルシーンは見せ場にしないといけない、みたいなそんな感じ。

マンガはマンガとして描かれるべきだからそれ自体を否定するわけではないし、
それなりに楽しかったんだけど、やっぱりバランス崩れて薄くなるなとも思ってしまったのよね。

ブレイブ・ストーリー (上) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (上) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (中) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (中) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (下) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (下) (角川文庫)

まぁ、原作読んでみるしかないかな・・・。

最近、児童文学、ファンタジー系、エンタメ小説とかの熱が再燃してる。

マンガ読みすぎて飽きてきたのもあるのかな。
散々マンガ読んどいてなんだけど、なんか、小説の方が密度高い気がしてきちゃった今日この頃。