舞台は未来の植民星から一転、現代の日本へ!
未来のどこかの物語から、ぐっと現実感が増してくる。
- 作者: 小川一水
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/03/05
- メディア: 文庫
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パラオで起きた謎の感染症とその患者の物語。
新たな感染症は顔に痕がでることから「冥王斑」と呼ばれ、パンデミックが起きる。
一命をとりとめた患者から血清を作り、助かる命も出てくるのだが、
この病気は患者が一命をとりとめても、ウイルスは残り続けるので、
隔離しなければならない。
せっかく助かっても隔離される患者たちは、
生き残っても疎まれる存在。
隔離された少数の存在が、世界中でパンデミックが起きるたびに
徐々に増えていき、いつしか共同生活を営むようになっていく。
そう、この巻は救世群がどのように生まれてきたを語る巻。
第一部で提示されたたくさんの謎の1つである救世群という存在への一つの回答になっている。
そしてまた第二部で提示された謎もちらほらあるのだが、
一つ一つこうやって解きほぐされていくのだとしたらとても心地よい。
物語の設定って設定と言ってしまえばそれまでなのだけど、
やっぱりなんでそうなっているのか、という部分が考え込まれている方が
強い世界観になっていくと思う。
天冥の標は想像された未来の世界と、その世界に至るまでの道筋を
物語る小説なのかな?だとしたらその試みは超面白いな。
続きが楽しみである。
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