Book Select 本を選び、本に選ばれる

読んだ本にまつわる話を書き綴っていくことにしました。マンガが大半を占めていますが小説も好き。マンガはコミックで読む派。本は買って読む派なので常にお金と収納が足りません。例年1000冊以上コミック読んでます。ちなみに当ブログのアフィリエイト収入は昔は1000円くらいいった時もあったけど、今では月200円くらいです(笑)みんなあんまりマンガは買わないんだなぁ。。収入があった場合はすべて本の購入に充てられます。

手塚治虫が戦国時代にイギリスの築城法を取り入れた城を描くとこうなる。 手塚治虫/夜明け城

手塚治虫の歴史物。

太閤に命じられて領内に城を築城することになり、
全力で築城に励むことになるのだけど、
工事現場では謎の事故が相次いで・・・

といった話。

夜明け城 (手塚治虫漫画全集)

夜明け城 (手塚治虫漫画全集)

夜明け城

夜明け城

まぁ、やっぱり今読んで面白いかと言われると大して面白くないよね。
あえていうなら、築城しようとしている城のデザインがヘンテコなことかな。。

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こんな変な城に生涯をかけたくない気もするけれど、
太閤の死によって命懸けて作っていた城をとり壊せと言われてしまう。

自分が命懸けで作っていた者がまるで上の気まぐれで壊せと言われる。
まぁそういうことって仕事でもあるよねー、なんて思うようになったのは
自分も年取ったってことなんだろうな。

夜明け城 (手塚治虫漫画全集)

夜明け城 (手塚治虫漫画全集)

夜明け城

夜明け城

大切にするということはその人のために行動し、実現すること 桜井画門/亜人

人のようでいて、人ではない、不死身の存在、それが亜人
亜人かどうかは、本人自身でさえ、死んでみるまでわからない。

人間のつもりで生活していた者が、死んだはずなのに蘇って、初めて亜人だったことが発覚する。

あまりにも人間離れした能力を持つ亜人たちは
発覚したと同時に国の捕獲対象になるので、
捕まっていない亜人たちもひっそりと生きているような世界観。

亜人(1) (アフタヌーンコミックス)

亜人(1) (アフタヌーンコミックス)


そう、なんとなく『東京喰種』と似た世界観なんだよね。
現代を舞台に、人間に紛れて暮らす亜種。
警察あるいは国と、亜種の戦い。

どちらの物語も人間ではないものに対して人間が向ける冷酷なまでの悪意に
人の醜さが凝縮されている。

そんな中でも『亜人』は主人公のやや浮世離れしたキャラクターがユニーク。
悪意のない合理性の塊みたいな主人公は行動にあまり迷いがなく、
時に冷酷な判断を下しながら生き延びていく。

作中でも言及されているが、他人からすると冷たく見えるその対応も、
彼にとっては合理的な判断をしているだけで、冷たくしようという意識はない。
これもある種のサイコパス気質なんだろうなぁ。

ちなみに経営者にもサイコパス気質の人は多いらしく、
課題に対して感情を交えず合理性だけで判断できるというのは1つの強みではある。

ただ、一般的に感情に支配される人が多すぎる気もするよね。

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まぁ、そんな思いやるだけの薄っぺらい生温かさに対して、
ズバッと切り込んでいるのがこのシーン。

とにかく行動ありき、なんだよね。
ごちゃごちゃいう前にやれ、と。
行動して実現しろ、話はそれからだと思うわけ。

行動しないでごちゃごちゃ言うだけの人が多すぎる世の中なので、
この1シーンのためだけでも、
この作品がもっと読まれたら良いな、と思ったのでした。

亜人(1) (アフタヌーンコミックス)

亜人(1) (アフタヌーンコミックス)

連載終了から20年以上経った今でも、新作ゲームが作られ、新作アニメが放映されている少年漫画の金字塔。 鳥山明/ドラゴンボール

言わずと知れた漫画市場に燦然と輝く名作、というか超怪物作品。

連載終了は1995年、それから20年以上経過した今でも新しいアニメが放送され、
映画化され、ゲームが作られている。
売れている作品は数あれど、これだけ長期間、ビジネスとして展開され続けている作品は滅多にない。
(他にはドラえもんとかごく一部のタイトルに限られる)

ジャンプ作品の中でも異様なまでの長寿作品で、
最もゲーム化された作品としてのギネス記録も持っているらしいし、
2016年、版元である集英社にはドラゴンボール専門の部署が立ち上がったらしい。

まぁ、今までなかったの!?って感じだけど、
改めてドラゴンボールという遺産に目を向けるということなんだろうか。

という訳で世代を超えて愛されているこの作品、
改めて読んでみると、たったの42巻しかない。

魔人ブウみたいな正直蛇足っぽいところも合わせて42巻しかないんである。
これだけの物語をたった42巻で描くっていうのは、
それだけ、物語が濃密かつスピーディに展開されるということ。

フリーザ編まではあっという間な感じで一気読み読みしてしまった。

読み返して思うのは、毎年ゲームになっているとは言え、
少年時代の物語は風化していっている気がしたこと。
今読んでも個人的にはピラフ一味とか、レッドリボン軍とかのあたりも面白いと思うのだけど、
少年時代の悟空は最近あまり商品化されていない気がする。
そう思うと改めて、集英社が専門の部署作ったってのも妥当なのかもしれないよね。
確実に風化は始まっているから、次の世代にどうドラゴンボールを伝えていくか考えないといけない。

おそらく、少年時代のお話そのままだと、現代っ子には受け入れられなのかな?
調べたら、ドラゴンボールSDとか、ドラゴンボール超とか、
今の人たちに向けた展開を模索しているみたい。

それらは鳥山明が描いてる訳ではないのだけど、
果たしてどんな感じなんだろう??

気になったから今度はそっち見てみる予定。

そして本当に個人的な思い出だけど、
小学生でアニメのドラゴンボールを夢中で見ていた自分は、
ジャンプに連載された原作が随分先のお話をやっているというのが衝撃だったことを鮮明に覚えている。

蕎麦屋にあったジャンプで見てしまった先の展開、
その中でも超絶印象に残っているのは、ナッパがめちゃくちゃ強くて、
みんなやられちゃうんだけど、そんなナッパをベジータがいとも簡単に殺すところ。

純粋な少年だった当時、あれは衝撃的だったなー。
えー仲間殺しちゃうのーって衝撃と、
あんなに強いやつを一瞬で殺せちゃうくらいベジータって強いの??
だとしたらもう悟空でも勝てないんじゃないの、とか
子供心にとても心配してたことを覚えている。

それと今回、デジタルのカラー版で読んでみたんだけど、
カラー版、意外とイイね。

あれ、、主人公がいなくなっちまった。 うすね正俊/砂ぼうず

文明が滅び、砂漠と化した関東。

過酷な環境下で必死に生き抜くしかない弱肉強食の世界。

砂ぼうずはその関東大砂漠で名の知れた便利屋で、
請け負った仕事はきっちりこなし、生き抜くためのずる賢さや
悪知恵なら右に出る者はいないキャラクター。



当初はそのずる賢いキャラクターを描く、単発のエピソードが続くんだけど、
物語はやがて砂漠の遺跡から発掘される技術を巡った争いに巻き込まれていく。

この物語が面白いのは、砂ぼうずが弟子をとるところ。
純朴な弟子を通じて、関東大砂漠という世界の厳しさや、
そこで生き抜く知恵を描いていく。

で、それだけならよくできた構成に過ぎないんだけど、
この作品が凄いのは砂ぼうず&弟子という主人公グループから、
砂ぼうず自身がいなくなってしまう展開になること。

そう、主人公が消えてしもうた・・・それでも物語は続いていく。

一体、どんな風に砂ぼうずが再登場するのか、その展開には要注目。

ちなみに作者は連載中に大病で倒れ、4年半ほどのブランクがあったとのこと。
かなりの銃マニアでミリタリー好きには絶大な支持を受けているらしいのだけ、
残念ながら私はミリタリーマニアじゃないのでその辺はようわからん。


とりあえず1巻読めば、続きが読みたくなることうけあい。 久しぶりに引きの強い作品に出会った! オノ・ナツメ/ACCA 13区 監察課

種族や文化が異なる13の区に分かれている国と
そこで各区を取り締まる監察官を描いた物語。

その監察課を潰そうとする勢力もありながら、
13区各地でクーデターの動きあり?という状況と相まって
物語は動き出す。

果たして誰が仕組んだ動きなのか??
誰が味方で誰が敵なのか??



物語としては無駄なくコンパクトに収められているんだけど、
オノ・ナツメ作品の中でもこれはかなり好き。

13区それぞれに個性があるから書こうと思えば
いくらでもスピンオフできるだろうし、
伸ばそうと思えばこの巻数の3倍くらいかけるんじゃないのかな。
尾田栄一郎だったら100巻描いても終わらないレベルの世界観だと思うんだよね。

しかも、久しぶりに引きの強いマンガに出会えたって感じでもある。
とりあえず1巻読めば、続きが読みたくなることうけあい。

この1巻の終わり方はとても綺麗な引きの強さだったなぁ。
なんだかとても感心しちゃったよ。

個人的にはもっとこの世界の物語を書いて欲しいんだけど、
いつか続編来たりしないかな。。

頼むぜ、オノ・ナツメ先生!!

長寿作品は何から読めば良いのかさっぱりわからん。。 聖悠紀/超人ロック オメガ

超長寿シリーズということしか知らない超人ロックが、
Amazonで安くなっていたので読んでみたのだけど・・・
正直さっぱりわからず・・・。

そもそも作品多すぎて何から読んでいけば良いのかがわからない。。

コミックフラッパーのは比較的最近のものみたいだね。
とりあえず超人ロックがすごい超能力者で時空を超えてる感じはわかった。

とりあえず、昔のから読んでみないとなんとも言えないよなぁ、というのが結論。

とりあえず、買うならこれで良いのかな、って感じなんだけど、
本当に色んなのが出てるからどれが正解なのかがわからない。。

というわけで、長寿作品は入り方が難しい、というお話でした。

人間のクズみたいな本性をとても現代っぽく描いてる名作。 横槍メンゴ/クズの本懐

理想のカップルに見える2人は、お互い叶わぬ恋を胸に秘めた偽装カップル。

お互いの思い人が、くっつきそうになってるっていう状況で、
相手のことを自分が好きな人だと思って付き合ってみるという倒錯的な設定。

相手の先に、違う人を見ているわけだね。


この倒錯的な設定だけでなく、
出てくるキャラクターがみんなどっか歪んでて面白い。

友達、だと思っていたら自分狙いのレズビアンだったりとか。
とにかく出てくる人たちの思いはみんな空回りしながらすれ違っていく。

でもみんなその交わらない思いを直視するのが嫌で
倒錯していくんだよね。
倒錯っつーか、逃避なんだよね。

みんな辛い現実を直視できずに、偽りの関係で、傷を舐め合う。
お互いの傷を舐め合う共依存だから、それはそれで甘美な関係。
傷を舐め合いながら自分の叶わない思いを再確認して再強化していく。

なんか、ダメなんだけど、やめられない。
わかっちゃいるけどやめられない、でも人間てそんなもんよね。
そういう人間のクズみたいな本性をとても現代っぽく描いてる。

そんでもって、出てくる女の子がみんな可愛い。

これはこれで現代の文学よね、と思った作品でした。