北条司の怪盗3姉妹ではなくて、 英国のミステリ、往年の名作らしい。科学者であるソーンダイク博士が謎を解き明かして行くのだけど、 途中、冒険小説っぽくもなる。敵地で毒殺されそうになったり、危機一髪な感じ。自分たちが回避した罠に敵がハマって死ぬ…
妻とは離婚したい、なのに妻は離婚だけはしてくれない。 その日も一緒に行くはずだったショーに向かう直前に喧嘩して、 最初に会った女性を誘うと言い放ち出て行く夫。で、実際バーで出会った女性を誘い、食事をし、ショーを見て、 家に帰ると妻が死んでいる…
推理小説は初心者なので、いいも悪いもわからんのだけど、 楽しいかと言われれば拍子抜けって感じがしなくもない。イラストのゴシックな雰囲気に惹かれて興味を持ったのだけど、 まぁなんというか、ディクスン・カーは怪奇な作風が特徴らしく、 確かに怪奇っ…
相変わらずルパン全集読んでる。 真夜中に野原に馬を走らせる小さな人影がある。強欲なおじ伯爵のやしきから逃げだした、孤独な美少女オルタンスだ。少女は青年公爵レニーヌにすくわれ、あれはてた古城でおそろしい秘密の真相を知る。古城の大時計が八時をう…
なんか気をぬくと頭に入ってこない文章なのだけど、 集中して読むとなんか妙な面白さがある感じ。何が本当なのかよくわからないっていう作風。この人の言っていることは本当? いやそもそも本当のことって何だろう?と、読んでてだんだんわからなくなってく…
ちょっと皮肉でシニカルな短編集。「煎じ薬」では、教会でつい母親の告解を聞いてしまう。 どうやら誰かに毒を盛ろうとしているらしいのだけどその相手は・・・ 自分じゃーいって話。「ロンジュモーの囚人たち」は街から出ようとすると、 怪我したり事故が起…
「8・1・3」と「APO ON」という謎のキーワード。 この秘密を巡る冒険活劇みたいな作品がこれ。ルパンてお宝を鮮やかに盗み出す物語かと思いきや全く違う。ルパンの偽物が出てきたり、 国際的な陰謀に巻き込まれながらも、 その計画自体を自分が乗っ取ろうと…
ポプラ社のルパン全集第2巻。怪盗ルパンが初めて登場した作品らしい。「金髪で、右腕に傷あとがあり、変名の頭文字はR。怪盗ルパンが紛れこんでいるという知らせをうけた豪華客船の乗客たちは騒然となり…。怪盗紳士アルセーヌ・ルパンが初めて登場した作品。…
ジャズのパトロン、ニカ男爵夫人。チャーリー・パーカーは彼女のホテルの部屋で死んだし、 セロニアス・モンクの個人的なパトロンとしても活動していた。そんなニカは実はロスチャイルド家のご令嬢。でも男性相続で女性はかなり飾りとしての人生を強いられる…
しがない食品会社の三芳部長は、縁故入社のチャラ男。そのチャラ男を軸にしつつ、一人一人の会社のメンバーをフォーカスしていく群像劇。ある出来事も、立場変われば違って見えたり、 それぞれの立場での考えや意図が少しずつずれてすれ違っている様を巧妙に…
オーストリアの小説家、『ゴーレム』や『緑の顔』といった幻想小説が代表作。 しかしいまいちすんなり入って来なかった・・・ 私たちは時間で出来た構成物なのであり、肉体とは、物質であるかのようにみえて、流れ去っていった時間以外のなにものでもないの…
SF素人なのでハーラン・エリスンがSF界でどんだけのもんなのかは知らない。 結構すごいらしいけど。で、これはそんなエリスンの非SFの作品を集めた短編集。タイトルがかっこいいよね。 愛なんてセックスの書き間違い (未来の文学)作者:ハーラン・エリスン出…
年末からただひたすらに十二国記を読み耽っていました。 18年ぶりの新作が刊行されたと話題だったのだけど、 これまで何度か気になりつつ見送ってきた自分としては今こそ着手する時かな、と。ファンタジーというのはここではない別の世界へ行って戻ってくる…
ずっと同じホテルに軟禁されたら・・・ それはさぞ退屈で代わり映えのしない日常。 苦痛を伴う日々になるかもしれない。モスクワの伯爵作者: エイモアトールズ,宇佐川晶子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/05/23メディア: 単行本この商品を含むブログ…
DC、マーベルのスーパーヒーロー10人の中で、 現代社会で最も望ましい特製のモデルになるのは誰かを検証する、という本。 空想科学読本的な雑学系ではなく、ヒーローの倫理を考察する。MCU作品全て見て臨んだけど、 それだけじゃちょっと知識不足な感がある…
バベルの図書館のウェルズだよ。白壁の緑の扉 (バベルの図書館 8)作者: H・G・ウェルズ,ホルヘ・ルイス・ボルヘス,小野寺健出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 1988/09/24メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見るウェルズといえば、タイムマシン…
魅力的な表紙とタイトル。 ジブリの少女やディズニーのプリンセスは何と戦い、どう働いたのか、と言う帯も興味を引く。もう少し軽めの本かと思ったけど、コンテンツを題材にしたフェミニズムの話で、 思っていたよりもしっかり、カッチリした本でした。戦う…
プラクティスの皇帝となったミヒルは姉のイサリを冷凍睡眠から目覚めさせる。 イサリはミヒルから逃れようと地下へと進み、偶然、メニーメニーシープ(と思い込んでいる)世界へたどり着く。 そう、1巻との接続がここでなされるのだ。天冥の標? ジャイアント…
宝塚音楽学校を舞台にした青春物語。 歌舞伎に憧れ助六になりたいと思っていた少女の夢は、女であるがゆえに破られる。 そんな主人公が目指したのが宝塚歌劇の世界。音楽学校へ入学し、個性的な同級生、先輩に揉まれながら、 トップスターを目指していく。か…
もうネタバレしちゃうからあんま書けないけど、 シェパード号のハーブCへの墜落から メニー・メニー・シープができる過程を描く第7巻。天冥の標? 新世界ハーブC作者: 小川一水出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2014/02/21メディア: Kindle版この商品を含む…
第6部は大ボリュームである。 これまで各種族の来し方を語ってきたけれど、 ついに物語が動き出す。天冥の標? 宿怨 PART1作者: 小川一水出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2013/03/29メディア: Kindle版この商品を含むブログ (2件) を見る天冥の標? 宿怨 PA…
主に映画業界で活躍しているスタイリスト。前半は写真集、後半はエッセイで作品にまつわる話も出てくるという構成。当たり前のことなんだけど、一流の人は常にインプットしてインスピレーションを得ている。 インプットの質と量が圧倒的に違うんだよな。衣裳…
謎の知的生命ノルルスカインの謎に迫る第5部。 ノルルスカインの話と交互に未来の農家の話が語られる。天冥の標? 羊と猿と百掬の銀河作者: 小川一水出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2013/03/29メディア: Kindle版この商品を含むブログ (4件) を見る海賊稼…
映画の歴史はまだ100年そこそこなんだけど、 その100年で凄まじい技術的な進化を遂げている。その映画の歴史を軽く概観するのが本書。 本書の魅力は、ポップなイラスト。単純にいい感じのイラストが気に入って買った本。イラストでわかる映画の歴史 いちばん…
第四部はLoversたちの物語。ラゴスはいかにしてラゴスになったかというこれまた Loversの原形が成立する所の物語なんだけど、 最後までラゴスは脇役、のように見えて最後はやっぱりラゴスの物語なんだよね。天冥の標? 機械じかけの子息たち作者: 小川一水出…
第一部で出てきたアンチヨークス=海の一統のご先祖様のお話。救世群に続き、アンチヨークスの先祖の物語はこれまた第一部の伏線に そっと触れながら進んでいく。天冥の標? アウレーリア一統作者: 小川一水出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2013/02/27メデ…
舞台は未来の植民星から一転、現代の日本へ! 未来のどこかの物語から、ぐっと現実感が増してくる。天冥の標 2 救世群 (ハヤカワ文庫JA)作者: 小川一水出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/03/05メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 78回この商品を含むブ…
小川一水さんの天冥の標が10年の時を経て完結したらしい。 としたり顔で語っているが、小川一水さんのことも、 天冥の標のことも知ったのはごく最近だ。twitterで流れてきた小川さんの選評が素晴らしいという話が気になり、 選評読んだら素晴らしかったので…
バベルの図書館はボルヘスが世界中の物語を編んだアンソロジー。 旧バージョンは全30巻で、1冊1冊が函入りというこだわりの装丁。 大人になって小銭稼ぐようになったので、学生の頃欲しかったこのシリーズを大人買いしてみた。ヴォルテール―ミクロメガス (…
水野良さんデビュー30周年を迎えていた模様。 そして誰もが?知ってる日本のファンタジー小説の元祖的な 『ロードス島戦記』の著者である。30~40代の人には懐かしい思い出となっているはず。 ロードス島の新作も書き下ろしていると聞き、 25年ぶりに再読し…