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Book Select 本を選び、本に選ばれる

読んだ本にまつわる話を書き綴っていくことにしました

何かと安っぽい社会正義を振りかざす人が多い今日において、 ダメな人間の物語は一服の清涼剤である。 峰浪りょう/ヒメゴト

飲み屋で女の子が最近読んで面白かった漫画って言ってたので妙に気になった後に、
また別のところでこの作品を進める話を耳にした。

立て続けに聞くのもなんかの縁かと思って買ってみたのだけど、
これが結構、面白い。

特に、何かと安っぽい社会正義を振りかざす人が多い今日において、
ダメな人間の物語は一服の清涼剤である。

出てくるのは変な人ばかり。
主人公の女の子は、女の子であることを素直に受け入れられない女の子。
性同一性障害ってほどではなくて、ボーイッシュなキャラに縛られていて、
女子っぽく振る舞うこと自体に抵抗がある。
要するに自分が社会の中で演じていたキャラに縛られてるんだな。
演じていたはずなのにいつの間にかそのキャラが支配的になっている。

でもこれって多かれ少なかれ日常生活にもあること。
人がプライドに縛られて正しい判断ができないのもこれに似ている要素がある。
わしの面子が許さんのダァ、みたいなのもこれまでのキャラに反するってのに
振り回されているだけってことも。

でも、この主人公は外では男キャラを演じて、家ではこっそり昔の制服着て、女の子に戻る。
スカート履いて女らしい格好するってのが、昔着ていた制服しかないんだな。
で、家で一人で制服に着替えて自慰に耽る。
その倒錯性にも自覚的で、ダメだと思ってもやってしまう。

もう一人の主要キャラも美男子なのに女装癖。
他にも清楚なお嬢様風なのに体売って稼いでる女。
みんな、どっか変。
そして、その変であることを自覚していて、
ダメだと思ってるのにまたやってしまう。

このダメだと思ってるのにまたやってしまう、というのがこの作品の本質であり、
それって人類普遍のテーマなんだよなぁ。

植木等伝「わかっちゃいるけど、やめられない!」 (小学館文庫)

植木等伝「わかっちゃいるけど、やめられない!」 (小学館文庫)


まぁ、人間だもの、目の前の欲望に躓くこともあるさ。
むしろその方が人間らしいじゃないか。

そういえばこの本読んで思い出したのが、『ぼくらのへんたい』

ぼくらのへんたい(1) (リュウコミックス)

ぼくらのへんたい(1) (リュウコミックス)

最初の方だけ読んだけど、これもヘンタイたちの物語。
最初の方は凄い才能感じたけどその後どうなっているんだろうか。
すげー気になってきた。また買っちゃうんだろうな・・・。