主に映画業界で活躍しているスタイリスト。
前半は写真集、後半はエッセイで作品にまつわる話も出てくるという構成。
当たり前のことなんだけど、一流の人は常にインプットしてインスピレーションを得ている。
インプットの質と量が圧倒的に違うんだよな。
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見ることに一番意味がある。
自分が心を動かされるものに対して素直であれ、という教えを子供の頃に受けているのは素晴らしいことなのかも。
確かに自分が感動して心を動かされるものというのは何よりも大事だよなぁ。
「桜がきれいだと思ったら、ずっと見ていなさい」とも言われた。その方が大事だからと。桜の美しさに心を奪われるよりも素晴らしい授業があれば、学校に価値を見いだすことができたけど、わたしはできなかった。そうやって、自分で考えるということを学んだ。それはあるものを注視するっていうこと。見ることに一番意味がある。
P.100
まぁ、だからと言って学校行かなくてもいいよとは言わないけど、自分の好きなこと、もの、は人と違っても大事にしてほしい。
増村保造
谷崎潤一郎が原作で増村保造が監督した『刺青』(一九六六)で、若尾文子が着物をすとんと落とすシーン、あれにはエロスがあった。そういうことに近いことが起きていないのよ。若尾文子は現実に着物を落として、裸になっていると思う。でも前から撮っていない。それは若尾文子が増村保造を信用しているから、そこまでやれる。監督もカメラマンも世界に誇る映像を撮っている。
P.112
増村保造が好きで、学生時代渋谷のツタヤでビデオテープを一通り借りて夢中で見ていた。
『千羽鶴』や『清作の妻』なども若尾文子の狂気が最高だった。
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黒は色の終焉
彼らは光と闇というのがよくわかってない。モノクロでも、黒に色をかけられる人がいないでしょう。モノクロっていうのはモノクロに色をかけるべき。赤とか足していくのよ。服も深く黒染めをするときには色んな原色を加えなきゃいけない。そうじゃないと実は黒を表現できないの。黒は色の終焉なのよ。
P.116
光は色が混ざると白になる。絵の具は色が混ざると黒になる。
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