DC、マーベルのスーパーヒーロー10人の中で、
現代社会で最も望ましい特製のモデルになるのは誰かを検証する、という本。
空想科学読本的な雑学系ではなく、ヒーローの倫理を考察する。
MCU作品全て見て臨んだけど、
それだけじゃちょっと知識不足な感がある。
著者は86年にX-MENのコミックを買って以来、
新刊を買い続けているらしいアメコミオタクなので、
正直嬉々として語るのだけどついていけないところも多い。
アメコミヒーローの倫理学 10人のスーパーヒーローによる世界を救う10の方法
- 作者: トラヴィス・スミス,堀内進之介,塚越健司
- 出版社/メーカー: パルコ
- 発売日: 2019/03/23
- メディア: 単行本
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それでも理解できる箇所で興味深いのは、
それぞれのヒーローのスタンスが全然違うところ。
キャプテン・アメリカの性格は生まれながらのヒーロー、
力は弱くても心はヒーローだった彼が力を手に入れた。
ヒーローであることに疑問も持たなそう。
対するアイアンマンは、キャプテンのような根っからのヒーローではない。
彼は、皆が思うヒーローを演じているし、演じようとしている。
自分が根っからのヒーローではないことも自覚していると思う。
ヒーローを演じた結果、ヒーロー的な行動を取っている。
そこにはヒーロとして生きたいという願望や憧れもあるのかも。
だからこそ、アイアンマンは葛藤するし、時にハメを外す。
ヒーローである前に人間、そんなところが魅力的なんだよな。
また、バットマンに関して、ブルース・ウェインはバットマンが変装した姿、と言っているのも面白い。
本質はバットマンの方にあり、バットマンが世を忍ぶ仮の姿を撮っているのがブルース・ウェイン。
あとがきに書いてあったロバート・ダウニーJr.の名言も良かった。
私たち全員が何かしらヒーローらしいことをしていると思いますが、ヒーローは名詞ではなく、動詞なのです。
P.292
アメコミヒーローの倫理学 10人のスーパーヒーローによる世界を救う10の方法
- 作者: トラヴィス・スミス,堀内進之介,塚越健司
- 出版社/メーカー: パルコ
- 発売日: 2019/03/23
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