バベルの図書館のウェルズだよ。
- 作者: H・G・ウェルズ,ホルヘ・ルイス・ボルヘス,小野寺健
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 1988/09/24
- メディア: 単行本
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ウェルズといえば、タイムマシンとか透明人間で著名な作家。
しかしどちらも読んでいない。。。
- 作者: ウェルズ
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/12/20
- メディア: Kindle版
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- 作者: H.G.ウェルズ,佐竹美保,雨沢泰
- 出版社/メーカー: 偕成社
- 発売日: 2003/06/19
- メディア: 新書
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そんなウェルズの短編集なのだけど、
科学的なSFの作家っていう印象を勝手に抱いていたのだけど、
どちらかというと幻想小説よりな短編。
白壁の緑の扉は、いつも忙しい時に限ってそういう扉が現れる話。
その扉を開けると、ここではない何処かへ行けるはず、と感じている主人公。
でもどうしようもなく急いでいる時とかにその扉が現れるから結局開けられない。
プラットナー先生奇譚は、先生が透明人間みたく他者から認識されない存在になってしまう話。
違う次元に迷い込む感覚、と言った方が近いかな。
亡きエルヴシャム氏の物語は、
老人と若者が入れ替わり若者は老人に人生を乗っ取られる話。
まぁモチーフは今となってはあるあるというか、って感じなんだけど、
この辺に共通しているのは自分の日常が違うものになっていく可能性の物語だよね。
日常とは非連続な、ディスラプティブな変化が起きるかもしれない、という期待や、
実際に起きてしまった物語。
いつか王子様がやってきて私を幸せにしてくれるという典型的なプリンセス・ストーリーが、
男性依存として批判されるのであれば、
こう言ったある日突然の人生の変化願望もまた根っこは同じ現実逃避な気がする。
それはそれで悪くないんだけどね。
- 作者: H・G・ウェルズ,ホルヘ・ルイス・ボルヘス,小野寺健
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
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