Book Select 本を選び、本に選ばれる

読んだ本にまつわる話を書き綴っていくことにしました。マンガが大半を占めていますが小説も好き。マンガはコミックで読む派。本は買って読む派なので常にお金と収納が足りません。例年1000冊以上コミック読んでます。ちなみに当ブログのアフィリエイト収入は昔は1000円くらいいった時もあったけど、今では月200円くらいです(笑)みんなあんまりマンガは買わないんだなぁ。。収入があった場合はすべて本の購入に充てられます。

300点の良いものカタログ! 失いかけてた物欲を思い出しそう。 ソニア・パーク/ソニアのショッピングマニュアル

スタイリスト、ソニア・パークが選んだ100アイテムを紹介する良い物ガイド。
これが結構当たって、第3弾までシリーズ化されたのがこれ。

見開きで1アイテム。左ページに写真、右ページに語り、という構成で、
良い物を眺めているのは気分がいい。
要するにこれって女性向けmono magazineみたいなもんよ。

まぁ、出版されてから結構経つので、ブランドのラインナップもちょっと懐かしさを感じるけど、
逆にその懐かしさが面白くて読んでしまった。

ソニアのショッピングマニュアル

ソニアのショッピングマニュアル

ソニアのショッピングマニュアル 2 (2)

ソニアのショッピングマニュアル 2 (2)

ソニアのショッピングマニュアル III

ソニアのショッピングマニュアル III

全300アイテムで気になったものをメモ。

キャロル・クリスチャン・ポエルのシャツは、学生の時に確かに欲しかった記憶がある。
結局買わずじまいだったけど、なんかのセールでなぜかここの革靴を買ったんだよなぁ。
なんで革靴なんか買ったんだろう。
未だに使ってるんだけど、今更ながらシャツ欲しいわ。

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面白いカバンだね。飽きそうだけど。

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クリステンセン・ドゥ・ノルドは知らなかったからメモ。
なんつーか、安物が氾濫する現代において、
こういう上質なものを身にまとう意識を持つのは一つの見識だと思うのよね。
美意識を持たずに生きるってのはなんか色々腐りそうで怖い。

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カルペ・ディエムは自分の仲間内ではすごく流行ってた。
パリのレクレルールっていうセレクトショップで扱ってて、
友人が聖地巡礼のようにその店に行き、記念に買ってきてた。
あー、かっこいいなぁ、と思ってたけどその時はそこまで欲しくなかった。
まぁ、高かったしね。
働き出して、バーニーズに売ってるの見つけて、何の気なしに買った。
お金がないときの買い物にまつわるあの真剣な逡巡が働き出して無くなってしまったのはとても残念。

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うどん、美味しそう。気になっちゃった。

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手頃な値段で良さそう。メンズもあるかしら。

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とんでもなく希少な素材で作られた、とんでもなく高いニット。
どんな着心地なんだろう。ちょっと気になるけど、なかなか手が出ないよね、この値段は。

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ムニョス・ブランデシックというブランドを全く知らず、へーって思ったので。
まだやってるのでしょうか?

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こういう定番品みたいなものは時代を超えて愛される良さがある気がする。
高いけど、確かにこういうのをさりげなくつけているのはオシャレかもしれない。
嫁が見たら、じゃあ買ってよと言われそうで怖い。

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なんか、良いものを眺めていたら、最近失っていた良い物への情熱が呼び覚まされた気がする。
昔は金はないけど時間はあったから、色々見てたし、見たら欲しくなっちゃうし、って感じだったけど、
今は金はあっても時間がないからそういう情熱が年々薄くなってる。

たまたま買い物に行って出会いがあれば買う感じ。
まぁ、べらぼうな値段のものじゃない限りだいたい買えちゃうってのが物欲をかえって抑制するんだよな。
良いなぁ、欲しいなぁ、ってものに恋い焦がれる感じが最近ないんだけど、
久しぶりにぶらぶらお店を回ってみたり、雑誌を読んでみたりしようかしら。

ソニアのショッピングマニュアル

ソニアのショッピングマニュアル

ソニアのショッピングマニュアル 2 (2)

ソニアのショッピングマニュアル 2 (2)

ソニアのショッピングマニュアル III

ソニアのショッピングマニュアル III

一護が戦い、一護が傷つき、一護が修行し、一護が勝利する物語。 久保帯人/BLEACH

全74巻の長期連載。
早く終われと揶揄されたりもしていたけれど、まぁまぁ面白い。

BLEACHの主人公の一護はちゃんと努力する主人公。
事あるごとに一人で修行、あるいは修行に類する試練に臨んで強くなって敵を倒す。
愚直なまでにこのパターンは繰り返され、負けては修行して勝つ。


敵も魅力的なキャラクターが多く、倒した敵は味方になったりしながら
物語は進んでいくわけだけど、この魅力的な脇役たちの絡み方がなんかイマイチなのよね。
脇役の域を出ないというか、所詮脇役止まりというか。

結局BLEACHはどこまでいっても一護の物語。
一護が戦い、一護が傷つき、一護が修行し、一護が勝利する。
戦い自体がタイマンで描かれることがほとんどなので、
あんまり仲間と力を合わせて勝つって感じがないんだよね。
その辺がNARUTOONE PIECEと少々趣きが違うところ。

NARUTOは2マンセル、3マンセルみたいなチーム単位で動くところがあるし、
仲間同士助け合って戦うイメージがある。
ONE PIECEなんて仲間集めの物語だし。
でもBLEACHはあんまりそういう仲間感がないんだよなぁ。

仲間は一護にとって守る存在ではあるんだけど、力を合わせる存在じゃないって感じ。
結局、織姫とか茶土とかルキアとか、鼻から頼りにしてないんだよね、一護は。
全てを自分で背負いこんじゃってる中2病的な主人公。

だからBLEACHの中2病臭さはある意味必然で、徹頭徹尾中2病的な世界の物語なんだよ。
むしろ中2病的ブリーチポエムの世界で押し通したのは立派だと思う。
突然、仲間とか友情とか出されても困るでしょ。

とにかくこのスカした世界観を生み出し続けられるのは1つの才能なので、
次も思いっきりカッコつけてスカしまくったポエム大量の作品を書いて欲しいな。
次からはもう揶揄していた輩も名人芸として賞賛し始めるんじゃなかろうか。

そう見えちゃってるんだから、しょうがないよな、とある種途方にくれる 小林和彦/ボクには世界がこう見えていた 統合失調症闘病記

統合失調症を発症した著者が、
自分の体験を文章にした稀有な記録。

大抵の患者は、文章もうまく書けなくなってしまうそうなのだが、
小林さんの場合は、統合失調症を発症しても文章能力が失われることはなかったので
この非常に貴重なドキュメントが残された、というわけ。

ボクには世界がこう見えていた―統合失調症闘病記 (新潮文庫)

ボクには世界がこう見えていた―統合失調症闘病記 (新潮文庫)

この記録が物凄いのは、発症前のところから、正に発症する当日のこと、
それ以降の症状などが克明に記録されていること。

これを読むと、狂気と日常は地続きであることがよくわかる。
タイトルにある通り、彼にとっては「世界がこう見えていた」だけなのだ。
そう見えてしまっているのだからどうしようもないではないか。

もしこれが自分だったら、自分が見ている、認識している世界を
信じるなという方が難しいように思う。

統合失調症という病に限らず、人は自分の認識している世界に生きている。
それはあくまでも自分が作り出している仮想現実に過ぎなくて、
時折自分の世界を客観視して見たり、他人の世界とのズレや齟齬を認識してみたり、
そういうことを繰り返しながら生きているのだと思うのだけど、
うつ傾向の人とかの話を聞いていると、「自分の世界」が強すぎるなぁと感じることが多い。

で、人の認識を変えるって至難の技。
やばいなと思っても、なかなか人の世界を変えることってできない。

小林さんの世界は、荒唐無稽な妄想も多くて、正直読んでて疲れる部分もあるのだけど、
それが統合失調症を発症した人の世界なのだ、と思うとすげえな、と感じる。

世界がこう見えてしまったら、ここから逃れられる人っているんだろうか。
異常な世界を見てしまう状況を治療することって可能なんだろうか??
精神科って、内科的なイメージが強いけど、見え方を変えない限り治らないんだとしたら、
それって外科的なアプローチじゃないと治らないんじゃないか、とか
なんかそんなことも感じたり。

もちろん、外科的なアプローチで人の認識をいじるって
できたとしたらそれはそれで恐ろしいことだけど。

ボクには世界がこう見えていた―統合失調症闘病記 (新潮文庫)

ボクには世界がこう見えていた―統合失調症闘病記 (新潮文庫)

東日本大震災への200億円を越える義援金、あの時台湾では何が起きていたのか? 木下諄一/アリガト、謝謝

台湾在住30年の著者が取材を重ねた上で小説に仕立てたフィクション。
ただ、個人名や組織を変えてはいるけれど、実際にこういうことが起きていたのだろうという点では、
ノンフィクションのルポを読んでいる感覚に近いものがある。

アリガト謝謝

アリガト謝謝

そもそも自分自身、台湾に行ったことはなくて、
たくさんの義援金を送ってくれたことは聞いていたけど、
なんとなく親日な国という印象しか持っていなかった。

あの義援金は一体どういった感覚で集められたものなのか。
なぜ、200億円も集まるのか?
本作の中で出てくる数字としては中国が3億円ちょっと。
寄付とは金額の多寡ではないとは言え、台湾の寄付金の額が桁違いであることはわかる。

本作では、その寄付をしよう、募金をしようとした台湾の人たちが
どういった思いで行動したのか、その様子がいくつかのケースを通じて描かれている。

元を辿っていくと、統治時代を経験した高齢者層の中に日本への感謝の気持ちが
残っているということなんだろうけど、
世代を超えて、その感覚がじわりと、伝わっている印象。

それ以外にも寄付をすることで感謝の気持ちを知る、といった考え方なども
非常に儒教道徳的な清い教育精神を感じる。
今、こういうことを公教育で教える感覚ないよなぁ、としみじみ感じてしまった。

圧倒的に多額の義援金をもらいながら、日中関係への配慮もあって、
日本政府からのお礼の新聞広告が台湾には出なかったということもこの本で初めて知ったし、
それならばと有志で寄付を募り、台湾の新聞にお礼広告を載せるというプロジェクトがあったことも知らなかった。

知らなかったことだらけだったけれど、
一端を垣間見ることができたので本当に読んでよかったなぁ。

そしてなんだかものすごく台湾に親近感を感じたし、
今度家族を連れて行ってみたいな、と思ったのでした。

アリガト謝謝

アリガト謝謝

現実世界では目立たない凡庸な子が主人公っていう設定が今っぽいよなー。 川崎直孝/ちおちゃんの通学路

物心がついてからのルーティンワークと言えば通学だろう。
毎日、毎日、同じ場所へと向かうだけなのに、子供の頃って
通学自体がそれなりに面白かった気がする。

一人、もしくは友達と学校へ向かう通学路は時間にしてみれば大したことはないのだけど、
寄り道しようと思えばいくらでも寄り道できるし、
帰りなんか、グリコのおまけ、とかチヨコレートとかってやりながら帰ってみたり、
じゃんけんに負けてカバン何個も持ってみたり、
竹馬が流行っていた頃は竹馬乗って通学したこともあったな。

まぁ、これらは全部小学生の時の話だけど、
『ちおちゃんの通学路』はそんな仔細な変化とイベントが詰まった
通学路という設定の中で進んでいく物語。

[asin:B01LWN19TR:detail]

主人公はネトゲ好きな女子高生。
通学路でメタルギアソリッドのような潜入シーンを妄想したりするオタク気質な子で、容姿も平凡。
現実世界では特に目立たないモブのような子。

物語の中でも中の下と自己認識していて、何よりも目立つことが嫌いなんだけど、
こういうキャラ設定が今っぽいよなーと思う。

まぁ、世の中の人の大多数がモブだからね。
特別可愛いわけでも、かっこいいわけでもないし、
人並外れた才能を持っているわけでもない。

ヒーローに憧れる時代は過ぎ去り、
等身大のキャラによる内輪ネタに共感を重ねていくような感覚。
それはそれで楽しいから良いんだけどね。

あと、物語はやっぱり制約があったほうが面白いわけで、
通学路っていう制約を設けて頑張っているのが良いよね。

ネタに困って学園生活描くのがメインとかにならないことを祈りながら応援してます。

[asin:B01LWN19TR:detail]

気楽に読める可もなく不可もない作品。 なかざき冬/えとせとら

じいちゃんから受け継いだ謎の銃は、動物のエキスをつけると
干支にちなんだ弾が出る摩訶不思議な銃。

その謎の銃エトガンをめぐる物語。
途中で12星座にちなんだ星座銃(ゾディアック)っていう銃も出てくる。

だけど、合わせて24種類の弾が活躍した記憶はないな。。。
みんな出番あったのかな。。

ちなみに干支のくせに舞台はアメリカ。
麻薬を扱う悪の組織と戦うっていうなんだか非常に現実的な設定もあったりする。

干支が絡む作品だから『えとせとら』なんだろうけど、
なんかこのテキトーな感じが良いよね。

月刊少年マガジンに連載されていたらしい。

うむ、他に特に書くことがない可もなく不可もない作品。

法で裁けぬ悪を裁くワイルドな警察のお話。 望月三起也/ワイルド7

2016年に作者は亡くなっていて、
その後Kindleで投げ売られているのをよく見かけていて、
安いタイミングで買っておいたもの。

愛蔵版を分冊にした全50冊が出ていたのだけど、
なぜかこれを書いている時点ではAmazonからは落ちているみたい。
Kindleのラインナップって突然消えたりするからよくわからん。

一言で言えばハードボイルドな警察もので往年の名作って感じ。
ワイルド7は死刑囚で構成された警察内の秘密部隊、
法で裁けぬ悪を裁くワイルドな部隊だ。

バイクに乗って縦横無尽に駆け巡り、
悪党には容赦なくぶっ放す。

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なんと、すさまじい・・・・・・、まさにワイルド!

ハードボイルドでバイオレンスなんだけど、
この手のものにありがちなお色気シーンはほぼなし。
暴力描写はあるものの、あくまでも子供向け作品ってことなのかしら。

風体はただのチンピラにしか見えない7人なのだけど、
それぞれバックグラウンドが違って特技があったりもする。
もう少し7人の特技を明確にして組み合わせられると面白いんだけど
どうしても主人公の飛場ちゃんが活躍する話になりがちなのよね。

でも俺はヘボピーが好きだよ。
人一倍体がでかいヒッピー風の兄ちゃんなんだけど、
なんかいいやつなんだよね。
悪い女にコロッと騙されでお人好しのブタだよあんたは!!って
罵られるシーンはお気に入りの名シーン。

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もう、この台詞のコマをLINEのスタンプにしたいくらい。

さすがに古い作品なので退屈なところも多いけど、
ワイルド7っていう物語の「型」はいつまでも有効な気がする。
この型にはめれば続編はいくらでも作れるだろうし、
もっと面白くもできるはず。

実際、続編とかもたくさんあるみたいだし、映像化されてたりもする。

続・新ワイルド7 - 野獣の紋章

続・新ワイルド7 - 野獣の紋章

ワイルド7 R (マンサンコミックス)

ワイルド7 R (マンサンコミックス)

W7 新世紀ワイルド7

W7 新世紀ワイルド7

もう関連作品多すぎてわけわからん感じではあるけれど、
面白くなりそうな予感がするから他のもちょっと読んでみたいんだよね。