アニメの放映は95年~96年、まさに一世を風靡した傑作のコミカライズがついに完結。
舞台となっている時代が2015年という事実に時の流れを感じる。
あの時感じた20年後の未来に、実は今生きている。
なんとかセカンド・インパクトは起こらずに済んでいるし、
どうやら世界は破滅していない。
新世紀エヴァンゲリオン (1) (カドカワコミックス・エース)
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新世紀エヴァンゲリオン コミック 全14巻完結セット (カドカワコミックス・エース)
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主人公がヘタレ。
クラスでも決して中心には居られず、
特に能がないタイプ。
そんな等身大の主人公が悩み、傷つきながら戦う。
主人公以外の登場人物も多くの謎と、トラウマを抱えて生きていて、
まともなやつは居ないんじゃないのか、というネガティブ集団。
メンヘラばっかりなんだけど、それがまた共感を呼んだんだろう。
人によって多少の差があれど、皆なにかしら持っているメンヘラ要素に
訴える部分があったんだと思う。
子供相手の時間によくこんな暗い作品流してたよな、と思うとちょっと驚き。
ストーリーには謎が多く、壮大な陰謀史観みたいな感じ。
世界には秘密があり、その秘密を知る特権的な者達が何かをしようとしている。
事件なのか、計画なのか、計画だとしたら誰の?
そんな謎に引き込まれながらも、すべての種明かしをしてくれる訳ではない。
多分、そんなものは無い。
それがまたオタク達の多様な解釈を生み、人々を夢中にさせるのかな。
コミカライズは終わってみれば14巻とコンパクトにまとまっている。
冗長になること無く、淡々と進んでいくのだけど、
貞本義行の絵の素晴らしさによって時にアニメを凌駕する感じ。
安彦良和の『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』と合わせて、
名作アニメを名作画でコミカライズするっていう2大プロジェクトだったと思うのだけど、
両方素晴らしかった。この先これ以上の作品は出てくるんだろうか。
機動戦士ガンダム THE ORIGIN コミック 1-24巻セット
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機動戦士ガンダム THE ORIGIN(1)<機動戦士ガンダム THE ORIGIN> (角川コミックス・エース)
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その後、アニメ業界もここまでの規模でマス化する作品が出てきていない。
アニメがよりビジネスとして進化して行く過程で、ターゲットをセグメントして、
萌えを届け、何とかリクープさせることに皆が必死。
まどかマギカみたいな傑作も出てはいるけれど、
ここまでマスに浸透していないもんね。
『ONE PIECE』みたいなものは確かにマスに浸透した作品だけど、
あれはあくまでも漫画原作だから別枠。
アニメがオリジンの大ヒットアニメを強く望みたいけれど、
金がかかる故に年々そういう作品を出すこと自体が難しくなっているってのが
現状なのかもしれない。
なんか、庵野秀明って今となっては死滅してしまった文豪みたいな感じがする。
自分を作品に叩き込むというか、身を削って作品を生み出すと云うか、
創作に壮絶感とか必死さがあるというか。
そして過去の作品への徹底した理解と愛があって、知識もずば抜けている。
そういう文豪タイプのクリエーターは稀有な存在なんだよな。
新世紀エヴァンゲリオン (1) (カドカワコミックス・エース)
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