資産家の女性が年下の男とくっついて、
周囲からとやかく言われてるところで、死ぬ。
義理の息子?旦那?それとも??
犯人はこの中にいる的な状況で起きる死亡事件を
その場に居合わせてしまったヘイスティング氏の依頼で調査することになったのがポワロ。
ヘイスティングは悪いやつじゃないんだけど、ポワロの引き立て役で凡庸なキャラ。
まぁ、探偵ものにはこういった引き立て役が必要なわけだ。
- 作者: アガサクリスティー,Agatha Christie,矢沢聖子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2003/10
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そもそも自分はあまり推理小説やミステリーの類を読んでいない。
気楽に楽しめる娯楽としていつか読もうなんて思っていたけど、
Kindleで半額セールがやっていたもんだから、図らずもそれがきっかけになった感じ。
推理ものって子供の頃、赤川次郎の三毛猫シリーズを少し読んだ記憶があるけど、
基本的に種明かしをされるとなんか釈然としない気持ちになる。
敬遠してたのってその釈然としない気分が嫌だったからってのもあるのかもな。
でも大人になった今は、その釈然としなさも含めて楽しめる気がする。
というか、別に人が死ぬ、犯人は誰なのか、その種明かし以外にも面白い要素はある気がする。
スタイルズ荘はこのトリックがどの程度すごいのかはよくわからないけれど、
作者が読者にこいつは犯人じゃない、と思い込ませてからひっくり返すっていうことがしたかったんだろうな。
その試み自体はあー、なるほどって思いました。
あと、唯一読んだことがあった『春にして君を離れ』にも通じるんだけど、
凡庸で退屈な田舎の暮らしの息苦しさみたいなものが時折出てくるよね。
- 作者: アガサ・クリスティー,中村妙子
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大して読んだわけじゃないけどそれってクリスティ自身が感じている閉塞感であり、
息苦しさのようなものが時折顔を出してきてるってことなんだろうな。
「あなたにはわからないわ、わかりっこないわ、このいまわしい屋敷が、わたしにとってはずっと牢獄だったことなど!」
本作品の中にもこんなセリフが。
クリスティーの作品に出てくる女性は何かしら制度や伝統、
社会的な良識みたいなものに抑圧されてる。
トリックがどうとかよりも、
そういった描写がちょっと面白いから意外とハマってしまうかも。
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