Book Select 本を選び、本に選ばれる

読んだ本にまつわる話を書き綴っていくことにしました。マンガが大半を占めていますが小説も好き。マンガはコミックで読む派。本は買って読む派なので常にお金と収納が足りません。例年1000冊以上コミック読んでます。ちなみに当ブログのアフィリエイト収入は昔は1000円くらいいった時もあったけど、今では月200円くらいです(笑)みんなあんまりマンガは買わないんだなぁ。。収入があった場合はすべて本の購入に充てられます。

才能あるBL作家のBL漫画。中村明日美子/Jの総て

中村明日美子はBL作品が多い作家さんだけど、
すごく才能のある人だと思う。

で、旧作がKindle Unlimitedに入っていたから読んでみた。

Jの総て(1)

Jの総て(1)

Jの総て(2)

Jの総て(2)

Jの総て(3)

Jの総て(3)

まぁ、マリリン・モンローみたいなオカマとのBL話なのだけど、
結局両方美形に描かれるから、その絡みにあんまり性別は関係ない気もする。
幻想の美形同士の乳繰り合いだから、まぁ、汚くないし。

女子がハマるのも綺麗所が絡んでるからなんだろうなぁ。

BL作品が圧倒的に多いけれども、
ウツボラ』の不穏な感じとか、『鉄道少女漫画』の巧みな構成とか、
本当に才能を感じる。

ウツボラ(1)

ウツボラ(1)

ウツボラ(2)

ウツボラ(2)

BLじゃないやつをもっと描いて欲しいし、
それでもっと売れて欲しい。
直接的なエロ描写禁止して描いてみたら、
なんかいいもん出てきそうな気がするなぁ。

Jの総て(1)

Jの総て(1)

Jの総て(2)

Jの総て(2)

Jの総て(3)

Jの総て(3)

自分だけの空想のヒーローに自分がなるっていう子供には夢のような設定。 桂正和/ウイングマン

桂正和の初期作品。
子供の頃のおぼろげな記憶なんだけど、
なんかのお店にコミックスが置いてあって、
子供心になんかすげーかっこいいなぁ、と思ってた記憶だけがある。

話とかは全然わからないというか、まだ読めないくらいの年頃で、
ただただウイングマンがカッコよく見えたんだよなー。

で、たまたまジャンプの新アプリ「Myジャンプ」(読みたい作品選んで毎週届く)で
ウイングマンも選んで読み始めたら、一気読みしたくなって買ってしもうた。

お話をちゃんと読んだのは初めて。
でも思い出憧れ補正があるから、古臭くてちょっと稚拙なお話でも、全然気にならない。
むしろ、憧れのヒーローに自分がなれるなんていう夢のような設定は、
子供のハートを鷲掴みにするよなー、なんて思ったり。

そして昔の漫画ってシンプルだよね。
ノートに書いたことが実現するドリムノートに空想のヒーローのことを書いたら、
自分がそのヒーローになっちゃった。で、悪と戦います。
特に難しい伏線等はございませんって感じ。
これに比べると、今の漫画ってとても複雑な気がしてくる。
大人が読む分にはその方がもちろん面白いんだけど、子供たちはどこまで着いてきてくれてるんだろう?

ちょいエロ、ちょいギャグ、ちょいラブコメのヒーローもの。
ここからしばし美少女漫画に特化してみたり、ヒーローものに回帰してみたりって思うと確かに
ウイングマンにはこの後の作品の片鱗が随所にあるよな。

というわけで、ちゃんと全部読んでみたくなりました。

大人買いしてしまうか。

知的ボーダーという存在を初めて知りました。 沖田×華、君影草/はざまのコドモ 息子は知的ボーダーで発達障害児

色々と障害を持った人々がいることは漠然と知っているし、
その生涯が先天的な場合も、後天的な場合もあることも大抵の人は知っている。

一人では生きていけず、様々な支援が必要となるケースもある。
そのための社会福祉の整備が必要で、色々な支援制度に税金が使われている。
そういった税金の使われ方は個人的には有意義だと思っているのだけど、
逆に言うとまぁ納めた税金の範囲内で国や自治体がうまいことやってくれるだろう、という
ある種の無関心状態に陥りやすい問題でもある。

自分もそんな理解はあるふりをしている無関心層の1人なのだけど、
基本的に制度はそれなりに上手く回っていると思っているのよね。
実態は知らないし、知ろうともしないので。

だからこういった作品で、ある種の実態に触れると、
こんなに難しい問題があるのか、と考えさせられる。

本作品が言う「はざま」とはまさに健常者と障害者の「はざま」のこと。
様々な支援制度の運用上、障害者という定義が必要であり、
それは第3者によって認定できる形での定義が必要だ。

認定されて初めて障害者なのであり、支援の対象になるわけだ。
ではその認定基準にギリギリ満たない人には支援は必要ないのだろうか、という話になってくる。

周囲の支援なしには生活できない程度の発達障害を抱えているのに、
認定基準よりも僅かにIQが上回っているが故に、発達障害認定されない、そんな子供を持つ家族の話。
まさに、「はざま」にはまってしまった状態なのだが、
認定されないが故に国が用意している様々な制度が使えない。
それは金銭的な支援もそうだが、教育制度上の支援の問題も沢山あるようだ。

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例えば支援学級に入れない=普通の子供たちと同じクラスで同じカリキュラムをこなさなければならない、とか。
さらに辛いのは周囲の無理解で、発達障害認定されていないんだから、障害じゃないんでしょ、と言われること。
子供のためを思って支援学級に入れたいという親の希望も、
障害でもないのに支援学級に入れたいなんて虐待だ、と言われる始末。
これ、言われたら親は心折れるだろうな・・・。

専門学校やフリースクールもあるけど、そこには障害者枠の求人が来ない。
支援学級の方に全て回ってしまうから、通うことだけはできるけど、その先がない。

読んでてしんどくなるくらい八方塞がりなんだけど、
周囲の無理解から無駄に傷つくようなことは一番最初に解決できることだとも思う。

要はみんな知らないんだよね。
だから知ってもらうことはとても重要だし、
こういう作品の形で世に出たことはより多くの人に伝える
手段として良いことだと思う。

というわけで、未読の人はぜひご一読を。

自己満足ってのは大人の生き様なんだよ! 玉井雪男/じこまん

知人で自転車好きな人がいたので、
自分は全く興味ないのだけど読んでみた。

そしたらこれがとても良い作品。
つーか、趣味にかける大人の心意気が溢れている。

じこまん 1

じこまん 1

「じこまん」は大人の生き様だよね。
この見開きには真理があると思う。

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こういう境地で自転車にはまっている人の話。
そういう人の話って普通に面白いんだよね、
自分が自転車やるかどうかは置いといてHAPPYな人の話はおもろい。

そして読んだあとちょっぴり自転車乗ってみたくなってる自分がいる。
マラソンとかよりも多幸感が得られやすいらしい。

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なんかハマる人の気持ちがわかった気がした。
自転車好きな人たちはみんな読んでるのかな。

今度聞いてみよう!

じこまん 1

じこまん 1

RPGがマンガになった、みたいな作品の草分けなんだそうな。 こやま基夫/おざなりダンジョン

ロールプレイングゲームがマンガになりました、みたいな作品の草分けらしい。
おざなりダンジョン言う割には別にダンジョン探索するような話は少ないのが意外。。

ウィザードリーとかの影響を色濃く受けているそうだよ。
なんでそんな伝聞口調かと言うと、
色々あるんだろうけど今読むとつまんないから。

ちなみに主人公の女性はモカ、
お供の二人がブルマンとキリマン。
要するにコーヒーをモチーフにした名前だね。

だからなんだって話かも知れんが、
マンガという形式で物語を叙述する技術というのは、着実に進化していて、
当たり前のように思っているレベルが、実はハイレベルなんだってことなんだと思う。

当時はこれが新しく、面白かったのだと思うけど、
今尚それが有効かというとそうでもない、というのが率直な感想。。


終わる気が全くしないダークファンタジーの名作にして迷作。 三浦建太郎/ベルセルク

7、8年ぶりに一気読みした。
アニメ化されたんだよね、それがきっかけといえばきっかけ。
そして未だに完結してねーんだな、これが。

まぁ、偉大な作品だとは思うよ。
でも連載が長くなればなるほど迷走するってのを体現してる作品でもある。

クレイモア』とか『進撃の巨人』とか、
いわゆる敵が圧倒的に強いダークファンタジー路線て、
ベルセルクがやってきたこと。

誰よりも早く、長く、こういうダークファンタジーを描いてきたってのは凄い。

見よ、この圧倒的な絶望感。
勝てる気がしない。すでに主人公の心も折れてる。

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この情けない顔!でも、それくらい敵が圧倒的に強いんだから仕方ない。
しかし!情けない顔はこれで終わらない。
こんな表情最近は全く見せないのに、初期の頃はまじヘタレ。

ダークファンタジー史上最高に情けない表情と言っても過言ではない涙目。

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ベルセルクがすごいのはこれだけじゃない。
これは2人の男のホモホモしい話だったりもする。

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この妙に甘ったるいやり取りからの・・・・

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見つめあう二人~。
まわれーまーわれメリーゴーランド!!

LA・LA・LA LOVE SONG

LA・LA・LA LOVE SONG

そうかと思うと、人生を語る怪物も出てくる。

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死ぬの、生きるのなんて言ってたら人生損しちゃうのである。

とまぁ、序盤は普通に進んでいくんだけど、途中から
なんだか変な雰囲気になるのよね。
キャラのデザインも、話の流れも少々頭おかしいと思う。

唐突に現れる骸骨騎士と脳みそおじさん!

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で、しばらくこういう路線で書いてたと思ったら、
いきなり方向転換するのよね、この漫画。

ベルセルク最大の見せ場はこの節操ない世界観の変更だと思う。
それまでの中世のイギリス的世界を舞台にした悪魔的な怪物との戦いに、
突然ハリーポッターみたいな魔法が登場する。

キャラもそれまでとは全然違う萌えっこ魔女路線。
これぞ長期連載の醍醐味。大迷走ってやつだ。
歴史に立ち会う瞬間だよ。

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で、色々あってヒエロニムス・ボス的な世界へ!

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と、書いててよくわからなくなる名作にして迷作。
おまけに最近はかなりどうでもいい航海の話に無駄に時間を使っているのだけど、
果たしてちゃんと終わるのかしら。

ほっとくと後10年くらいどうでもいいサイドストーリ書いてそうだから、
さっさとメインストーリ進めてくださいって声を大にして言いたい。

なんだかよくわからんビジュアル系西遊記。 峰倉かずや/最遊記

んー、kindle unlimited対象だったから読んでみたのだけど、
わけわからんかったな。。

美形だらけの西遊記パロディで、
台詞回しとかが思わせぶりなんだけど、
かなりひとりよがりな感じ・・・。

ここまでハズレなのも珍しいって感じの印象。。
基本的に分かりづらいんだよね。
特に意識することなく、普通に読めるってすごいことなんだと再認識。

でも売れてるんだよね。
自分には合わなかったけど、むしろ先にアニメ見るべきなのかなこれ系のジャンルは。

そういえば版元の一迅社講談社の傘下に入ってましたね。
まさに角川が得意そうなこういう作品の領域が補完されるのは、
講談社にとってもプラスになりそう。