Book Select 本を選び、本に選ばれる

読んだ本にまつわる話を書き綴っていくことにしました。マンガが大半を占めていますが小説も好き。マンガはコミックで読む派。本は買って読む派なので常にお金と収納が足りません。例年1000冊以上コミック読んでます。ちなみに当ブログのアフィリエイト収入は昔は1000円くらいいった時もあったけど、今では月200円くらいです(笑)みんなあんまりマンガは買わないんだなぁ。。収入があった場合はすべて本の購入に充てられます。

キングダムが数倍面白くなる最新の研究成果! 鶴間和幸/人間・始皇帝

『キングダム』がメチャクチャ売れている。
でもあれは売れるべくして売れた、メチャクチャ面白いから。

その『キングダム』でもお馴染みの秦王・政が、のちに中華統一を果たす始皇帝だ。
中華統一という偉業を成し遂げた歴史上も超重要人物なのだけど、
意外と謎が多い。

たとえば出生の秘密として、政は呂不韋の子だ、とする言説もある。
嫪毐(ろうあい)の反乱も反乱が起きてこれを鎮圧したのか、
反乱を察知して、先んじて制したのか、諸説ある。

本書では、そういった始皇帝にまつわる大きな謎を、
最新の資料にもとづいて推論していく。

人間・始皇帝 (岩波新書)

人間・始皇帝 (岩波新書)

『キングダム』読んでいるので、どうしてもイメージがそちらに引きづられてしまう。
逆に言うと、今、この瞬間、この本を楽しめる人口はメチャクチャ多くなってる。
そもそも始皇帝なんて、『キングダム』読むまでは、焚書坑儒とか悪政のイメージが強かったからな。

[asin:B00UGTW7W4:detail]


きっと読んでるうちにちょいちょい出てくる秦の将軍の名前にもいちいち反応してしまうはず。

しかし、始皇帝と直接関係はないけれど、
当時の関税の高さを説明しているくだりがあって驚いた。

『九章算術』には黄金を持参したときに関所で通行税を払う計算の出題がある。
五ヶ所の関所を通過したとき、最初の関所では所持額の二分の一を徴税され、つぎの関所では残高の三分の一、つぎからも四分の一、五分の一、六分の一と徴税されていく。
P.31

というように、ひたすら毟り取られる。
現金の輸送は手元に残らなくなってしまうため、
税金対策としては、いったん高価な、珍しいものに引き換え、関所を通っていったそうな。

いやぁ、それにしてもこの時代は面白い。
そして、秦が統一した後も『キングダム2』として
今度は項羽と劉邦の話までつなげて欲しいな、なんて思ったり。

人間・始皇帝 (岩波新書)

人間・始皇帝 (岩波新書)