『キングダム』がメチャクチャ売れている。
でもあれは売れるべくして売れた、メチャクチャ面白いから。
その『キングダム』でもお馴染みの秦王・政が、のちに中華統一を果たす始皇帝だ。
中華統一という偉業を成し遂げた歴史上も超重要人物なのだけど、
意外と謎が多い。
たとえば出生の秘密として、政は呂不韋の子だ、とする言説もある。
嫪毐(ろうあい)の反乱も反乱が起きてこれを鎮圧したのか、
反乱を察知して、先んじて制したのか、諸説ある。
本書では、そういった始皇帝にまつわる大きな謎を、
最新の資料にもとづいて推論していく。
- 作者: 鶴間和幸
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2015/09/19
- メディア: 新書
- この商品を含むブログ (10件) を見る
『キングダム』読んでいるので、どうしてもイメージがそちらに引きづられてしまう。
逆に言うと、今、この瞬間、この本を楽しめる人口はメチャクチャ多くなってる。
そもそも始皇帝なんて、『キングダム』読むまでは、焚書坑儒とか悪政のイメージが強かったからな。
キングダム コミック 1-40巻セット (ヤングジャンプコミックス)
- 作者: 原泰久
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2015/10/19
- メディア: コミック
- この商品を含むブログを見る
- 作者: 原泰久
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/06/22
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (3件) を見る
きっと読んでるうちにちょいちょい出てくる秦の将軍の名前にもいちいち反応してしまうはず。
しかし、始皇帝と直接関係はないけれど、
当時の関税の高さを説明しているくだりがあって驚いた。
『九章算術』には黄金を持参したときに関所で通行税を払う計算の出題がある。
五ヶ所の関所を通過したとき、最初の関所では所持額の二分の一を徴税され、つぎの関所では残高の三分の一、つぎからも四分の一、五分の一、六分の一と徴税されていく。
P.31
というように、ひたすら毟り取られる。
現金の輸送は手元に残らなくなってしまうため、
税金対策としては、いったん高価な、珍しいものに引き換え、関所を通っていったそうな。
いやぁ、それにしてもこの時代は面白い。
そして、秦が統一した後も『キングダム2』として
今度は項羽と劉邦の話までつなげて欲しいな、なんて思ったり。
- 作者: 鶴間和幸
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2015/09/19
- メディア: 新書
- この商品を含むブログ (10件) を見る