西暦2036年、東京は20年前の原発事故によって死の街になっていた。
そこに送り込まれたのが放射能に耐性を持つ人造人間COPPELION(コッペリオン)、という設定。
で、COPPELIONは皆高校生なんだな。
連載が始まったのは東日本大震災より前。
なので、震災後はこの原発による首都崩壊っていう設定が注目を浴びたりした。
この作品の設定では、お台場に原発があって、そいつが事故を起こす。
周囲をコンクリートで固めた石棺。
読んでいて思うのはこの作者にとって、自分の設定が現実のものになりそうになった
東日本大震災ってどういうものだったんだろうってこと。
何かしらの影響というか、心境の変化はあったのだろうか。
本作においても、原発の利権に群がるやつは出てくるし、
放射能で住めなくなった東京を、これ幸いと放射性廃棄物の処分場として
使おうとする輩も出てくる。
原発と利権、そんな話はむしろ現実がこの物語に侵食してきたかのような印象。
元々は、東京が廃墟っていうちょっと特殊な設定の中での、
異能者バトルものだったんだと思うんだよね。
でもそれだけでは済まなくなったって感じがする作品。
結局3.11以降、我々にとって原発事故はSFの設定ではなく、
割とリアルな現実になってしまった訳で、
読み手も書き手もその影響から逃れることはできないんだろうな。
とにかく震災後も連載は続き、2016年に無事完結。
他にも原発漫画といえば、『ヒトヒトリフタリ』とかもあったな。
あれは、完全に3.11後に描かれた原発漫画。
後から書かれたものと、連載中に震災を迎えた本作は、
ちょっと趣きが違うんだよね。
その辺も読み比べてみると面白いかもしれない。