『ブラックジャックによろしく』、
『新ブラックジャックによろしく』、両方ともKindleで安かったら買ってみた。
まぁまたそのうち安くなるだろうから
安い時に買っといたらいいんじゃないだろうか。
で、内容は言わずと知れた医療ものである。
- 作者: 佐藤秀峰
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ブラックジャックとは手塚治虫の『ブラックジャック』だ。
組織に属さない孤独なモグリの名医。
医療漫画として知らぬ者はいないこの名作は、
多くの人にとって医学を志すきっかけになったりしているんだろうな。
- 作者: 手塚治虫
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『ブラックジャック』とはその名医としての腕だけではなく、
組織に属さない一匹狼としての生き方もまた憧れの対象なのだろう。
医局というものに縛られる大学病院の世界の人間にしてみればなおさら。
で、本作は青臭い研修医が夢や理想を追い求め、
周囲を振り回していく物語だ。
主人公が語る言葉は全くもってロジカルではないし、
少々浮世離れしすぎなくらい青臭い。
まぁ、でもこれはそういう暑苦しい話。
暑苦しい話の中に、様々な医療問題の啓蒙が含まれている。
作者が伝えたいことはあまりにも知られていない
日本の医療の現状なのだろう。
研修医として各部門を転々としていく中で明かされる真実は、非常に興味深い。
ただ、この主人公みたいなやつは本当に迷惑だろうな。
そして、この作家が色々と出版社や編集と揉めがちなのも、
この主人公みたいな一本気なところがあるからなんだろうとこれ読んで妙に納得。
続編の『新ブラックジャックによろしく』は臓器移植問題がテーマ。
ここでも主人公は暴走気味なんだけど、前作よりももっと極端かも?
でも臓器移植を受ける方は、受けるまでは移植を強く望み、
移植後は一回後悔し、その後前向きに思い直すってステップを踏むってのを
冷静に語る場面が印象深い。
その後悔のフェーズがないと前に進めないんだな。
まぁ、本人は真剣に後悔してるんだろうけど、そういう儀式が必要なんだっていう話。
そう考えると人の心理ってのは面白いなぁとも思う今日この頃。
- 作者: 佐藤秀峰
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