なんとも雰囲気の良い児童文学。
表紙の絵とか装丁から醸し出される佇まいがとても良くて、
いつか読もうと思っていたのをついに読了。
山伏や陰陽師など日本古来の人知を超えた力をテーマに、
無自覚にその力を受け継ぐ主人公の女の子の物語。
レッドデータってのはred data bookに基づいてる。
要するに絶滅危惧種ってこと。
絶滅しそうな日本古来の異能者の物語。
- 作者: 荻原規子,酒井駒子
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/06/23
- メディア: 文庫
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主人公は引っ込み思案で優柔不断で、
自分の言いたいことも言えないどちらかというと鬱陶しい女の子。
ただ、このちょっと鈍い女の子が姫神と言われるなんだか物凄い力を受け継ぐ人物で、
本人が全く自覚しないところで大事に守られている。
実家を出て、変な力を持つ人が集まる学校へ行くことになり、
そこでの競争に巻き込まれるのだけど、無自覚な天才なので、
彼女の意志によらず、才覚を発揮してしまう。
まぁ、自覚的な秀才たちの中で無自覚な天才が成長していく物語と言ってしまえばそれまでだし、
魔法学園モノね、と言ってしまえばそれまでなのかもしれないのだけど、
無自覚な天才の話ってなぜか惹かれる。
そこには努力では超えられない壁があり、それがまた天才たる所以なのだけど、
考えてみれば大抵の人は自分の可能性に対して自覚的ではいられない。
むしろ人は皆自分の才能に対して無自覚だ。
才能がないのではなく、才能に気づけないことの方が多い気がする。
そう考えると、自分の才能や可能性に気づくことというのはとても大切なことだな。
気づければ努力もできるから。
とりあえず、いつか子供に読ませてみたい本。
- 作者: 荻原規子,酒井駒子
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