小説(国内)
しがない食品会社の三芳部長は、縁故入社のチャラ男。そのチャラ男を軸にしつつ、一人一人の会社のメンバーをフォーカスしていく群像劇。ある出来事も、立場変われば違って見えたり、 それぞれの立場での考えや意図が少しずつずれてすれ違っている様を巧妙に…
年末からただひたすらに十二国記を読み耽っていました。 18年ぶりの新作が刊行されたと話題だったのだけど、 これまで何度か気になりつつ見送ってきた自分としては今こそ着手する時かな、と。ファンタジーというのはここではない別の世界へ行って戻ってくる…
プラクティスの皇帝となったミヒルは姉のイサリを冷凍睡眠から目覚めさせる。 イサリはミヒルから逃れようと地下へと進み、偶然、メニーメニーシープ(と思い込んでいる)世界へたどり着く。 そう、1巻との接続がここでなされるのだ。天冥の標? ジャイアント…
第6部は大ボリュームである。 これまで各種族の来し方を語ってきたけれど、 ついに物語が動き出す。天冥の標? 宿怨 PART1作者: 小川一水出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2013/03/29メディア: Kindle版この商品を含むブログ (2件) を見る天冥の標? 宿怨 PA…
第四部はLoversたちの物語。ラゴスはいかにしてラゴスになったかというこれまた Loversの原形が成立する所の物語なんだけど、 最後までラゴスは脇役、のように見えて最後はやっぱりラゴスの物語なんだよね。天冥の標? 機械じかけの子息たち作者: 小川一水出…
第一部で出てきたアンチヨークス=海の一統のご先祖様のお話。救世群に続き、アンチヨークスの先祖の物語はこれまた第一部の伏線に そっと触れながら進んでいく。天冥の標? アウレーリア一統作者: 小川一水出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2013/02/27メデ…
舞台は未来の植民星から一転、現代の日本へ! 未来のどこかの物語から、ぐっと現実感が増してくる。天冥の標 2 救世群 (ハヤカワ文庫JA)作者: 小川一水出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/03/05メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 78回この商品を含むブ…
小川一水さんの天冥の標が10年の時を経て完結したらしい。 としたり顔で語っているが、小川一水さんのことも、 天冥の標のことも知ったのはごく最近だ。twitterで流れてきた小川さんの選評が素晴らしいという話が気になり、 選評読んだら素晴らしかったので…
水野良さんデビュー30周年を迎えていた模様。 そして誰もが?知ってる日本のファンタジー小説の元祖的な 『ロードス島戦記』の著者である。30~40代の人には懐かしい思い出となっているはず。 ロードス島の新作も書き下ろしていると聞き、 25年ぶりに再読し…
カンボジア、ポル・ポトの隠し子、SF、という一見すると不思議な取り合わせなのだけど、 読み始めるとすぐに引き込まれる。真実がわかる少女ソリヤ、天才少年ムイタック、 Boy meets Girlで物語は動き出す。 ゲームの王国 上作者: 小川哲出版社/メーカー: 早…
ラノベってほとんど読んだことなかったんだけど、 この本は前から気になってた。 想定がいわゆるラノベと全然違う重苦しい雰囲気だし、 1冊あたりの分厚さがすごくて、書店の棚に並んでるさまが圧巻だったから。で、いつか読もうと思ってたのを息抜きがわり…
漫画化され、アニメ化されると共に、 え、完結してなかったの!?という衝撃を与えたアルスラーン戦記が、 ついに、完結した!!!王都炎上・王子二人 ―アルスラーン戦記(1)(2) (カッパ・ノベルス)作者: 田中芳樹,丹野忍出版社/メーカー: 光文社発売日: 2003…
原りょうのことを知ったのはつい最近、 早川書房さんのTweetがきっかけだった。とても寡作な作家らしく、3月に14年ぶりの新作が出たのだ! これはちょっと気になる、というわけで、今さらながら読んでみた次第。で、これまで出ている長編は4作品。 今から呼…
緊張と緩和。 これが物語に人を惹きつける基本なんだと、誰かが言っていた気がするんだけど、 まぁ、大筋それには同意する立場。で、物語の緊張感は制約があればあるほど盛り上がる。そのための舞台設定ってとっても重要だと思うのよね。で、この小説は舞台…
作品は2011年に出版されているが、今読むと いけすかないアメリカの大統領がトランプを彷彿とさせて 妙なリアルさを感じる。人類滅亡の脅威は人類の進化からもたらされるっていうお話なのだが、 進化した人類は文字通り人知を超えている、という設定が面白い…
推理小説とか本当に読んでこなかったので、 今更なんですが、それだけ楽しみがあると思えば、世の中面白い本だらけ。というわけで、今更シリーズですが、横溝正史の金田一シリーズ、 スペードの女王を読んでみた。 角川から金田一耕助ファイルっていうのが出…
歴史を語ることの難しさとか、そもそもの歴史の虚構性みたいなものを 意識している作家だと知り、順番としてはおかしいのだけど『東京自叙伝』読んでから、 続けてこっちも読んだ。あるジャズミュージシャンにまつわる思い出と、カフカの『変身』が絡まり合…
東京の地霊が、幕末の維新から現代までを語るという設定で、 各時代ごとに主人公が変わる。地霊が乗り移る人物が主人公なのだが、地霊は次から次へと渡り歩いていくのだ。その時々の同時代人を通じて描かれる東京なのだが、 あくまでも全てを見てきた東京の…
あゆみBOOKSが好きだったんだけど、 社員が選ぶ売りたい文庫で堂々の1位に輝いたのがこの作品。もちろんかなり昔の作品なのだけど、筒井康隆は今なお通用する面白さということ。普段、推理小説は全然読んでいないから、素直に読んで素直に騙されてしまった…
第7回山田風太郎賞がグリコ・森永事件をモデルに書かれた『罪の声』に 決定したというニュースを目にして、いつか読むつもりだった本書を手に取った。罪の声作者: 塩田武士出版社/メーカー: 講談社発売日: 2016/08/03メディア: 単行本この商品を含むブログ (…
ギリシャ神話や、ホメロス、シェイクスピアなど、 古典的教養モノをうまいことまとめた本を書いてる人、という認識なのだけど 短編の名手だったりもするらしいね。読んだことないけど。で、アレクサンドロス大王のことも小説にしていると知ったので、 無性に…
なんとも雰囲気の良い児童文学。 表紙の絵とか装丁から醸し出される佇まいがとても良くて、 いつか読もうと思っていたのをついに読了。山伏や陰陽師など日本古来の人知を超えた力をテーマに、 無自覚にその力を受け継ぐ主人公の女の子の物語。レッドデータっ…
失踪した兄が残した『智慧の書』に導かれて、 インドへ向かう弟がする不思議な体験。イモータル (中公文庫)作者: 萩耿介出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2014/11/21メディア: 文庫この商品を含むブログを見るウパニシャッドとかショーペンハウエルとか…
今、再び漫画化されている銀河英雄伝説。 アルスラーン戦記と言い、田中芳樹ブームが再燃の兆し。で、実際藤崎竜の漫画版コミックを読んだら、 懐かしさマックスで原作を再読してしまった。実に20年ぶりの再読。時空を超えた読書って感じ。銀河英雄伝説 1 (…
震災がテーマの桐野夏生最新作。桐野夏生はなんかダークでドロドロしたもの描くイメージ。 妻は何作か読んでるみたいだけど、自分は初桐野。バラカという少女と周囲の人間の群像劇なんだけど、 若干拍子抜け。いや、確かにどういう話になるのかなーって思っ…
近所の書店でものすごくオススメされてたから、 何も考えずに買ってみた。いしわたり淳治という人も、よくわかってなかったのだけど・・・。SUPERCARのギタリストだったんだね! その後は作詞とプロデュースの方で随分活躍しているみたい。うれしい悲鳴をあ…
物凄くいまさらなのだけど、 本棚整理していたら出てきたから読んでみた。話の筋は高校生が人妻とコスプレ不倫して、 夫にばれて復讐される。で、ネットに晒されて引きこもっちゃったりするわけだ。 ってな話なのだけど・・・。まぁ確かにネットに晒されたら…
筒井康隆の処女長編。 作家のシニカルな魅力がちゃんと詰まってる。 やっぱり処女作って作家性が色濃く出てくるんだな。で、本作は誰もがテレビに夢中な世界。 テレビに出ることを夢見ていて、テレビに振り回されている。 街の至る所にカメラが仕込まれてい…
いま、話題の書。 ピースの又吉が面白いって言ったとかで、 ネットのニュースになってみたり。中村文則は若手の実力派で、色々書いてる。 気にはなってたけど、これが読むの初めてです。教団X作者: 中村文則出版社/メーカー: 集英社発売日: 2014/12/15メディ…
荒川弘のマンガ化で俄然盛り上がっている『アルスラーン戦記』、 何が驚いたって、まだ原作は完結していないってこと! どんだけ遅筆なんだ。でも原作もいよいよクライマックスに来ているようなので、 マンガ化、アニメ化と合わせて数年のうちに完結するんじ…