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読んだ本にまつわる話を書き綴っていくことにしました

幹事長が3P強要してくる政治漫画。もちろん返事は「いただきます!」だ。 池上遼一、史村翔/サンクチュアリ

俺たちのサンクチュアリ<聖域>を作るんだ!
と言われてもなんのこっちゃと思うけど、
すこぶる面白い政治漫画。

二人の少年がひとりは表の、ひとりは裏の世界のトップを目指し、
共に日本を変えていこうとするお話。


政治家とヤクザ、表と裏のコンビものってなんだかワクワクする。
お互い共通の目標を持ちながら、それぞれの世界でのし上がっていく。
お互い協力し合うのだけど、二人の関係は誰にもばらせないと言う制約。
やっぱり物語ってのは制約があって始めて面白くなる。

最近の作品で表と裏のコンビものと言えば、
ドラマ化もされた『ウロボロス』が典型。

ウロボロス―警察ヲ裁クハ我ニアリ― 1巻

ウロボロス―警察ヲ裁クハ我ニアリ― 1巻

ウロボロス 1―警察ヲ裁クハ我ニアリ (BUNCH COMICS)

ウロボロス 1―警察ヲ裁クハ我ニアリ (BUNCH COMICS)

こちらは警察官とヤクザが闇に葬られた事件の真相を追い求めるお話。
現在もまだ終わってないけど、おもろい。

で、『サンクチュアリ』が面白いのは、そういう制約の中で、
政治と言うある種固いテーマを扱いながらも、
しっかりとマンガしてるところが面白い。

主人公のヤクザを取り締まる六本木署に東大出の女性警察官僚が
副署長として赴任してくるんだけど、これがヤクザに惚れちゃう。
そんなアホな、と思うけどこれがマンガってもんの楽しいところ。

もう片方の主人公も、秘書からついに立候補するって時に
党の幹事長のところに挨拶行くとまず2億もってきて、話はそれから、とか言われちゃう。
まぁそれくらいは予想の範囲内なんだけど、後日改めて2億持ってくわけですよ。
で、幹事長がそれ受け取ると、それだけじゃ政治家にはなれないよとか言いながら
後ろのふすまをサッと開くわけ。(ちなみにあける時の擬音語が「カラリ・・」)
そこには布団が敷かれてて、芸者風の女性が一人。

「浅見君。」
「この女……
 わしと一緒に抱けるかね?」
「……」
「政治家に常識は要らん。
 自分の尻の穴を見せるのを恥ずかしがっとる様じゃ政治家にはなれん。」
1巻 P.233

とまぁ、いきなりの3P強要。
もちろん返事は「いただきます!」だ。

この荒唐無稽さを池上遼一の劇画調でやってくわけ。
これが面白くないわけがない。
昔のマンガっておおらかだったよなぁ、とも思う。
お馬鹿なことに本気で取り組むというか、
全力の荒唐無稽さを楽しむ、みたいな余裕を感じる。

今はすぐ抗議とかそういう話になっちゃうからな。
荒唐無稽なものでもそれはそれとして嗜む余裕、みたいなものもある種の教養だと思った今日この頃。