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読んだ本にまつわる話を書き綴っていくことにしました

やっぱりこの人は昔から只者じゃない・・・ 山本英夫/おカマ白書

単なるおカマのラブコメディかと思いきや、一筋縄ではいかないのが山本英夫だ。

男性が女装をするというある種、倒錯的な設定で、
秘密を抱えながら生きていくギャグ漫画なのだが、
アイデンティティとか、トランスジェンダー的なテーマを抱えながら、
二重三重に倒錯していく。

おカマ白書 1巻

おカマ白書 1巻

最初はのりで女装してみたら、美女が出来上がっちゃったって所から始まり、
その女装姿にそっくりな女の子に主人公が惚れる。
その子と女装姿で友達になりながら、男としては一歩を踏み出せず、、、てな話なのだが、
女装している自分自身も周囲の人間も女装姿の虚像に惹かれていく。

いつしか理想の女性が自分の女装姿になっていって、
どちらが主なのかもわからなくなってくる。
男なのか女のか軸足がどちらなのかも曖昧になってしまい、
アイデンティティの危機でもあるのだけど、
ここからラストはもう一ひねりしてくるから、やっぱり山本英夫、すごいな、という感じ。

絵は少し古くさく感じるかもしれないけど、
この才能の切れ味の良さは色褪せないと思うので、未読の方は是非。

おカマ白書 1巻

おカマ白書 1巻