失踪した兄が残した『智慧の書』に導かれて、
インドへ向かう弟がする不思議な体験。
- 作者: 萩耿介
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2014/11/21
- メディア: 文庫
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ウパニシャッドとかショーペンハウエルとか、
タージ・マハルとか色々と時空を超えて出てくる。
ムガル帝国の話なんかはちょっと面白かった。
それまでタージ・マハルくらいしか知らなかったけれど、
もうちょっと親しみが持てた。
「言葉によっても思考力によっても視覚によってもそれは得られない。それはただ『ある』というようにだけ理解されるべきである」 ここで言う「それ」とは万物のありようだと理解しよう。自分であり、隣の女たちであり、うずくまる黒猫である。いずれもただあり、あったし、これからもある。世界はそうしてできている。それぞれがひとつであり、孤立しているが、それぞれが大きな宇宙の原理の一部だと考えれば、孤立は解消され、大きな原理に支えられる。その原理を古代インド人はブラフマンと名付けた。神ではない壮大な仕組みとして。その原理の前にすべては平等である。誕生し、滅び、変転し、再び生まれ出る。その輪廻からの解脱は原理の認識によって可能になる。
まぁ、ウパニシャッドとかも名前しか知らなかったし、ブラフマンとかも名前だけだったから、
へー、とは思ったのだけど、へー以上のものは特になかったな。
知識を学び、次代へ繋げると言うことが、歴史上凄まじい営みだということはよくわかる。
そんな感じ。
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