Book Select 本を選び、本に選ばれる

読んだ本にまつわる話を書き綴っていくことにしました。マンガが大半を占めていますが小説も好き。マンガはコミックで読む派。本は買って読む派なので常にお金と収納が足りません。例年1000冊以上コミック読んでます。ちなみに当ブログのアフィリエイト収入は昔は1000円くらいいった時もあったけど、今では月200円くらいです(笑)みんなあんまりマンガは買わないんだなぁ。。収入があった場合はすべて本の購入に充てられます。

原作者と揉めてた作品だから、素直に楽しめないんだよね。 浦沢直樹/MASTERキートン Reマスター

浦沢直樹で一番の傑作は何かと聞かれたらそりゃあもう『MASTERキートン』で決まり。
その後の引きは強いけど、自分で広げた風呂敷全くたためない作品群を見る限り、
MASTERキートン』を越える作品は出てきそうにない。

そんな傑作がしばらく重版かからず書店の店頭から消えていたことを知ってるだろうか??
原作者の勝鹿北星浦沢直樹と当時担当編集だった長崎尚志が揉めたのがその原因。

MASTERキートン - Wikipedia

Wikipediaにもちょこっとだけ載ってる。
これだけだと真実がどうなのかは良くわからんけど、でもまぁ、なんか嫌な感じ。

で、この長崎尚志ってのが後に小学館を辞め、浦沢のプロデューサーというか、
エージェントみたいな存在になるんだけれど、
浦沢直樹の作品がどんどんつまんなくなっているのは、
ひとえにこの人のお陰であるように思えてならない。

優秀な編集者が独立する事例は色々あるけれど、
長崎尚志の場合は浦沢依存が激しい。
講談社から独立した樹林伸とはそこら辺がちょっと違う。
まぁ樹林伸は元編集者だけど完全に原作者だから
立ち居地がちょっと違うのかもしれないが。

と、いうわけで『MASTERキートン』はとにかく素晴らしいのだけど、
この騒動を思い出すから複雑な気分。

そして満を持して、浦沢、長崎の両名の名前がどどーんと出たこの新作の
MASTERキートンに若干の気持ち悪さを感じるのは避けられない。

まぁ、たしかにちょっと硬派で社会派っぽいテーマとかを絡めつつ、
展開していく物語は往年のMASTERキートンを彷彿とさせる出来だし、
成長した百合子もかわいいし、良いのだけど、
なんか素直に楽しめないんだよな・・・。

それでも、元々の『MASTERキートン』は非常に素晴らしい作品なので、
浦沢ファンも、そうでない人も、必読。