このマンガが大好きな人はとっても多い。
だいたいみんな、好きっていう。
村上春樹が好きっていう人と同じくらいの人が
好きになるんじゃないかっていうくらい受け入れられる作品な気がする。
- 作者: 羽海野チカ
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2013/12/13
- メディア: Kindle版
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ハチクロでも確立していたコマの間に独白ポエムが流れつつ、
静かにシーンが重ねられていく羽海野メソッドは、
想像以上にポエミーな効果を生み、
みんなが実は抱えながら生きている中2病的な心を優しく刺激する。
そういうの、素晴らしいとは思うけど、
何だかたまに安っぽくも見えてしまって、ハマりきれないってのが正直な所だったんだけど、
最近一気読みしてみたら、少し印象が違った。
もちろん大きなテーマとしては、心にそれなりに傷を持つ内向的な主人公、及びその周囲の人たちが一歩一歩、
前進しながら成長、あるいは再生していく物語。
でもそれだけじゃなくて、才能ある者の孤独みたいなのも時折感じるんだよね。
結局才能ある人は代わりに欠落しているものがあるというか、常人の理解を超えるレベルで、
自らを捧げちゃってるって所があると思っている。
才能は等価交換で、何かを捧げてアンバランスになるが故の才能、みたいな。
才能は無料ではなくて、持ってるやつは持ってるやつで、何かを捧げている。
それが常人にはわからないのだよ。
だから主人公もこう叫びたくなっちゃうわけね。
この叫びは100%正しいと思うのよ。
世の中の才能ある人みんな、叫んでいいと思うよ。
不断の努力で成功したビジネスマンとかも、似たような感覚あるんじゃないかな。
どうでもいいけど、主人公のライバル役の二階堂は村山聖がモデルだと言われている。
あの『聖の青春』の人です。
そして『聖の青春』は本当に名作なので未読の人は是非ご一読いただきたい逸品。
- 作者: 羽海野チカ
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2013/12/13
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