Book Select 本を選び、本に選ばれる

読んだ本にまつわる話を書き綴っていくことにしました。マンガが大半を占めていますが小説も好き。マンガはコミックで読む派。本は買って読む派なので常にお金と収納が足りません。例年1000冊以上コミック読んでます。ちなみに当ブログのアフィリエイト収入は昔は1000円くらいいった時もあったけど、今では月200円くらいです(笑)みんなあんまりマンガは買わないんだなぁ。。収入があった場合はすべて本の購入に充てられます。

人類滅亡の脅威は人類の進化からもたらされる。 高野和明/ジェノサイド

作品は2011年に出版されているが、今読むと
いけすかないアメリカの大統領がトランプを彷彿とさせて
妙なリアルさを感じる。

人類滅亡の脅威は人類の進化からもたらされるっていうお話なのだが、
進化した人類は文字通り人知を超えている、という設定が面白い。

人とは異なる方法で世界を認識し、理解している。
それは学習などで得られることではなくて、
我々には認識できないことが彼らはわかっているのだ、ということ。

例えば落ち葉を落とすといつも同じ場所に落ちるようにできる、とか。
葉の重さや、風の強さなど、1つとして同じ条件にはなり得ない環境でも、
瞬時に変動要因とその影響を認識して同じところに落とせるということ。
それが無意識にわかってしまう存在。

確かに人類の進化は今の人類の延長線的になだらかに起こるのではなくて、
突然変異として発生するのかもしれない。

現実や歴史の中で全くないとは言い切れない、絶妙なリアリティで
紡がれた物語なので、山田風太郎賞を受賞したってのも納得。

結構ボリュームあるけど、読み始めたら一気に読んでしまう快作でした。

ジェノサイド

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