作品は2011年に出版されているが、今読むと
いけすかないアメリカの大統領がトランプを彷彿とさせて
妙なリアルさを感じる。
人類滅亡の脅威は人類の進化からもたらされるっていうお話なのだが、
進化した人類は文字通り人知を超えている、という設定が面白い。
人とは異なる方法で世界を認識し、理解している。
それは学習などで得られることではなくて、
我々には認識できないことが彼らはわかっているのだ、ということ。
例えば落ち葉を落とすといつも同じ場所に落ちるようにできる、とか。
葉の重さや、風の強さなど、1つとして同じ条件にはなり得ない環境でも、
瞬時に変動要因とその影響を認識して同じところに落とせるということ。
それが無意識にわかってしまう存在。
確かに人類の進化は今の人類の延長線的になだらかに起こるのではなくて、
突然変異として発生するのかもしれない。
現実や歴史の中で全くないとは言い切れない、絶妙なリアリティで
紡がれた物語なので、山田風太郎賞を受賞したってのも納得。
結構ボリュームあるけど、読み始めたら一気に読んでしまう快作でした。
- 作者: 高野和明
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