Book Select 本を選び、本に選ばれる

読んだ本にまつわる話を書き綴っていくことにしました。マンガが大半を占めていますが小説も好き。マンガはコミックで読む派。本は買って読む派なので常にお金と収納が足りません。例年1000冊以上コミック読んでます。ちなみに当ブログのアフィリエイト収入は昔は1000円くらいいった時もあったけど、今では月200円くらいです(笑)みんなあんまりマンガは買わないんだなぁ。。収入があった場合はすべて本の購入に充てられます。

元々1000ページあった原稿を400ページに短縮っていくら何でも無理があるでしょ!? 手塚治虫/来るべき世界

手塚治虫の初期SFの名作と言われているらしい!!
アマゾンのレビューも絶賛されとる。

確かに、当時こういった物語は斬新だったんだろうなぁ。
すごいと思うよ、実際。
でも今読んで面白いかは別の話じゃ。



ちなみに、この作品と合わせてSF3部作として世評高いのは
メトロポリスロストワールドね。

ロストワールド

ロストワールド

メトロポリス

メトロポリス


どちらも同名の映画はあるけど、内容は全く関係ない。
パクってないよ、と本人が後書きでも力説してました。
メトロポリスは、タイトルと写真でみたワンシーンから着想を得たらしい。


ま、それはそれとして、来るべき世界である。
原爆実験の放射能の影響で変異した謎の生物フウムーン、とか
地球滅亡に際してのノアの箱舟みたいな話とか、
とにかくスケールがでかく色々な要素が詰め込まれている。
詰め込みすぎなくらい詰め込まれているというこの密度の異常な高さは
初期手塚治虫の特徴。

それぞれの要素で物語作れますよっていう濃いテーマを
これでもかと放り込んでくるから、正直とんでもなくごちゃごちゃした話になる。

でもそれもそのはず、手塚治虫本人のあとがきによると、
元々1000ページあった原稿を400ページに短縮しているんだそうな。
そのせいで前半がよくわからないオムニバスみたいになってしまった、とボヤいてた。

ご本人がおっしゃる通りで、正直前半戦は1つ1つのエピソードが
ものすごくあっさり、すごいスピードで展開していく。
ちょっと話飛びすぎじゃない??ってくらい。

まぁ、そんだけページ削ればそうなるよね。。。
だとするとオリジナルの物語が読みたい!ってのが人情だけど、
使わなかった原稿は、遊びに来たファンとかにあげちゃったりして
散逸してしまったらしい!!!

いやー、なんともったいない。。

最初の1000ページが一体どんな展開だったのか、、、
幻の作品に思いを馳せたくなる、そんな作品でした。