Book Select 本を選び、本に選ばれる

読んだ本にまつわる話を書き綴っていくことにしました。マンガが大半を占めていますが小説も好き。マンガはコミックで読む派。本は買って読む派なので常にお金と収納が足りません。例年1000冊以上コミック読んでます。ちなみに当ブログのアフィリエイト収入は昔は1000円くらいいった時もあったけど、今では月200円くらいです(笑)みんなあんまりマンガは買わないんだなぁ。。収入があった場合はすべて本の購入に充てられます。

落語が好きな人も、そうでない人も面白い、過去にとり殺されそうになった男女の再生の物語。 雲田はるこ/昭和元禄落語心中

落語は好きですか?

 

僕は好きです。

かっこつけない普通の人たちの物語には人間の喜怒哀楽が詰まっているし、

いろんな欲望も描かれている。

 

欲に目が眩むとロクなことはなくて、

義理人情に厚い人が報われたりする。

基本的に気持ちが良い話が多いのが落語。

 

本作の主人公もそんな落語に出てくる与太郎そのまんまの性格なんだけど、

師匠の八雲は対照的に暗く重い過去を引きずっている男として描かれる。

 

 

昭和元禄落語心中(1) (ITANコミックス)

昭和元禄落語心中(1) (ITANコミックス)

 

 

 

 物語はこの明暗、陰陽を軸にしながら語られるのだが、
基本的に師匠の八雲が陰鬱なキャラクターなので、
落語の話なのに全般に漂うのは暗くどこかアンニュイな雰囲気。
それが物語の色気にもなっていて、
アニメ化の際に主題歌を椎名林檎が作ったのは象徴的だよなぁ、と。

 

 

昭和元禄落語心中音曲噺其の一

昭和元禄落語心中音曲噺其の一

 
昭和元禄落語心中音曲噺其の二

昭和元禄落語心中音曲噺其の二

 

 

まぁこの本に興味を持つ人のうちどれだけの人が落語未経験者で、

これをきっかけに落語に興味を持つのかはわからないけど、

少しでも興味を持ったならば絶対聞いてみることをお勧めしたい!!!

 

ちなみに落語は音だけ聞いてもとても面白い。

寄席で一番嫌がられる客は目をつぶってじっと聞いている客、なんて話があるらしく、

それもそのはず、音だけだとごまかしが効かないんだよね。

 

爆笑問題太田光も無類の落語好きなんだけど、

以前糸井重里との対談で落語を音源で楽しむことに関して話していた。

自分もその記事を読んで敢えて音源で聴くことの面白さを知ってハマっていったのでした。

 

もう14年も前の話なんだけど、その対談、調べてみたら見つかった!!

 

ほぼ日刊イトイ新聞 - 爆笑問題・太田光の家族をつくったゲーム。

 

初心者にもオススメなのは古今亭志ん生古今亭志ん朝、の親子。

どちらもとんでもなくうまい。

そして面白い。

 

 

落語名人会 (1) 古今亭志ん朝(1) 「明烏」「船徳」

落語名人会 (1) 古今亭志ん朝(1) 「明烏」「船徳」

 

 

 

音源でも十分話が理解できて面白いのはさすが、と唸らされる。

大きめのTSUTAYAならレンタルもしてるからそういうところから入門するのもありかも?

 

と、なんか落語のススメみたいな話になってしまったけど、

過去にとり殺されそうになった男女の再生の物語なのよ、これ。

だから、落語興味なくても面白いと思うよ。

 

そして読んだあと少しでも落語に興味を持ったとしたらそれは素晴らしいことだ。

言いたいことはそれだけ。

 

 

 

昭和元禄落語心中(1) (ITANコミックス)

昭和元禄落語心中(1) (ITANコミックス)