落語は好きですか?
僕は好きです。
かっこつけない普通の人たちの物語には人間の喜怒哀楽が詰まっているし、
いろんな欲望も描かれている。
欲に目が眩むとロクなことはなくて、
義理人情に厚い人が報われたりする。
基本的に気持ちが良い話が多いのが落語。
本作の主人公もそんな落語に出てくる与太郎そのまんまの性格なんだけど、
師匠の八雲は対照的に暗く重い過去を引きずっている男として描かれる。
物語はこの明暗、陰陽を軸にしながら語られるのだが、
基本的に師匠の八雲が陰鬱なキャラクターなので、
落語の話なのに全般に漂うのは暗くどこかアンニュイな雰囲気。
それが物語の色気にもなっていて、
アニメ化の際に主題歌を椎名林檎が作ったのは象徴的だよなぁ、と。
まぁこの本に興味を持つ人のうちどれだけの人が落語未経験者で、
これをきっかけに落語に興味を持つのかはわからないけど、
少しでも興味を持ったならば絶対聞いてみることをお勧めしたい!!!
ちなみに落語は音だけ聞いてもとても面白い。
寄席で一番嫌がられる客は目をつぶってじっと聞いている客、なんて話があるらしく、
それもそのはず、音だけだとごまかしが効かないんだよね。
以前糸井重里との対談で落語を音源で楽しむことに関して話していた。
自分もその記事を読んで敢えて音源で聴くことの面白さを知ってハマっていったのでした。
もう14年も前の話なんだけど、その対談、調べてみたら見つかった!!
ほぼ日刊イトイ新聞 - 爆笑問題・太田光の家族をつくったゲーム。
初心者にもオススメなのは古今亭志ん生、古今亭志ん朝、の親子。
どちらもとんでもなくうまい。
そして面白い。
- アーティスト: 古今亭志ん朝
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音源でも十分話が理解できて面白いのはさすが、と唸らされる。
大きめのTSUTAYAならレンタルもしてるからそういうところから入門するのもありかも?
と、なんか落語のススメみたいな話になってしまったけど、
過去にとり殺されそうになった男女の再生の物語なのよ、これ。
だから、落語興味なくても面白いと思うよ。
そして読んだあと少しでも落語に興味を持ったとしたらそれは素晴らしいことだ。
言いたいことはそれだけ。