Book Select 本を選び、本に選ばれる

読んだ本にまつわる話を書き綴っていくことにしました。マンガが大半を占めていますが小説も好き。マンガはコミックで読む派。本は買って読む派なので常にお金と収納が足りません。例年1000冊以上コミック読んでます。ちなみに当ブログのアフィリエイト収入は昔は1000円くらいいった時もあったけど、今では月200円くらいです(笑)みんなあんまりマンガは買わないんだなぁ。。収入があった場合はすべて本の購入に充てられます。

連載終了から20年以上経った今でも、新作ゲームが作られ、新作アニメが放映されている少年漫画の金字塔。 鳥山明/ドラゴンボール

言わずと知れた漫画市場に燦然と輝く名作、というか超怪物作品。

連載終了は1995年、それから20年以上経過した今でも新しいアニメが放送され、
映画化され、ゲームが作られている。
売れている作品は数あれど、これだけ長期間、ビジネスとして展開され続けている作品は滅多にない。
(他にはドラえもんとかごく一部のタイトルに限られる)

ジャンプ作品の中でも異様なまでの長寿作品で、
最もゲーム化された作品としてのギネス記録も持っているらしいし、
2016年、版元である集英社にはドラゴンボール専門の部署が立ち上がったらしい。

まぁ、今までなかったの!?って感じだけど、
改めてドラゴンボールという遺産に目を向けるということなんだろうか。

という訳で世代を超えて愛されているこの作品、
改めて読んでみると、たったの42巻しかない。

魔人ブウみたいな正直蛇足っぽいところも合わせて42巻しかないんである。
これだけの物語をたった42巻で描くっていうのは、
それだけ、物語が濃密かつスピーディに展開されるということ。

フリーザ編まではあっという間な感じで一気読み読みしてしまった。

読み返して思うのは、毎年ゲームになっているとは言え、
少年時代の物語は風化していっている気がしたこと。
今読んでも個人的にはピラフ一味とか、レッドリボン軍とかのあたりも面白いと思うのだけど、
少年時代の悟空は最近あまり商品化されていない気がする。
そう思うと改めて、集英社が専門の部署作ったってのも妥当なのかもしれないよね。
確実に風化は始まっているから、次の世代にどうドラゴンボールを伝えていくか考えないといけない。

おそらく、少年時代のお話そのままだと、現代っ子には受け入れられなのかな?
調べたら、ドラゴンボールSDとか、ドラゴンボール超とか、
今の人たちに向けた展開を模索しているみたい。

それらは鳥山明が描いてる訳ではないのだけど、
果たしてどんな感じなんだろう??

気になったから今度はそっち見てみる予定。

そして本当に個人的な思い出だけど、
小学生でアニメのドラゴンボールを夢中で見ていた自分は、
ジャンプに連載された原作が随分先のお話をやっているというのが衝撃だったことを鮮明に覚えている。

蕎麦屋にあったジャンプで見てしまった先の展開、
その中でも超絶印象に残っているのは、ナッパがめちゃくちゃ強くて、
みんなやられちゃうんだけど、そんなナッパをベジータがいとも簡単に殺すところ。

純粋な少年だった当時、あれは衝撃的だったなー。
えー仲間殺しちゃうのーって衝撃と、
あんなに強いやつを一瞬で殺せちゃうくらいベジータって強いの??
だとしたらもう悟空でも勝てないんじゃないの、とか
子供心にとても心配してたことを覚えている。

それと今回、デジタルのカラー版で読んでみたんだけど、
カラー版、意外とイイね。

あれ、、主人公がいなくなっちまった。 うすね正俊/砂ぼうず

文明が滅び、砂漠と化した関東。

過酷な環境下で必死に生き抜くしかない弱肉強食の世界。

砂ぼうずはその関東大砂漠で名の知れた便利屋で、
請け負った仕事はきっちりこなし、生き抜くためのずる賢さや
悪知恵なら右に出る者はいないキャラクター。



当初はそのずる賢いキャラクターを描く、単発のエピソードが続くんだけど、
物語はやがて砂漠の遺跡から発掘される技術を巡った争いに巻き込まれていく。

この物語が面白いのは、砂ぼうずが弟子をとるところ。
純朴な弟子を通じて、関東大砂漠という世界の厳しさや、
そこで生き抜く知恵を描いていく。

で、それだけならよくできた構成に過ぎないんだけど、
この作品が凄いのは砂ぼうず&弟子という主人公グループから、
砂ぼうず自身がいなくなってしまう展開になること。

そう、主人公が消えてしもうた・・・それでも物語は続いていく。

一体、どんな風に砂ぼうずが再登場するのか、その展開には要注目。

ちなみに作者は連載中に大病で倒れ、4年半ほどのブランクがあったとのこと。
かなりの銃マニアでミリタリー好きには絶大な支持を受けているらしいのだけ、
残念ながら私はミリタリーマニアじゃないのでその辺はようわからん。


とりあえず1巻読めば、続きが読みたくなることうけあい。 久しぶりに引きの強い作品に出会った! オノ・ナツメ/ACCA 13区 監察課

種族や文化が異なる13の区に分かれている国と
そこで各区を取り締まる監察官を描いた物語。

その監察課を潰そうとする勢力もありながら、
13区各地でクーデターの動きあり?という状況と相まって
物語は動き出す。

果たして誰が仕組んだ動きなのか??
誰が味方で誰が敵なのか??



物語としては無駄なくコンパクトに収められているんだけど、
オノ・ナツメ作品の中でもこれはかなり好き。

13区それぞれに個性があるから書こうと思えば
いくらでもスピンオフできるだろうし、
伸ばそうと思えばこの巻数の3倍くらいかけるんじゃないのかな。
尾田栄一郎だったら100巻描いても終わらないレベルの世界観だと思うんだよね。

しかも、久しぶりに引きの強いマンガに出会えたって感じでもある。
とりあえず1巻読めば、続きが読みたくなることうけあい。

この1巻の終わり方はとても綺麗な引きの強さだったなぁ。
なんだかとても感心しちゃったよ。

個人的にはもっとこの世界の物語を書いて欲しいんだけど、
いつか続編来たりしないかな。。

頼むぜ、オノ・ナツメ先生!!

長寿作品は何から読めば良いのかさっぱりわからん。。 聖悠紀/超人ロック オメガ

超長寿シリーズということしか知らない超人ロックが、
Amazonで安くなっていたので読んでみたのだけど・・・
正直さっぱりわからず・・・。

そもそも作品多すぎて何から読んでいけば良いのかがわからない。。

コミックフラッパーのは比較的最近のものみたいだね。
とりあえず超人ロックがすごい超能力者で時空を超えてる感じはわかった。

とりあえず、昔のから読んでみないとなんとも言えないよなぁ、というのが結論。

とりあえず、買うならこれで良いのかな、って感じなんだけど、
本当に色んなのが出てるからどれが正解なのかがわからない。。

というわけで、長寿作品は入り方が難しい、というお話でした。

人間のクズみたいな本性をとても現代っぽく描いてる名作。 横槍メンゴ/クズの本懐

理想のカップルに見える2人は、お互い叶わぬ恋を胸に秘めた偽装カップル。

お互いの思い人が、くっつきそうになってるっていう状況で、
相手のことを自分が好きな人だと思って付き合ってみるという倒錯的な設定。

相手の先に、違う人を見ているわけだね。


この倒錯的な設定だけでなく、
出てくるキャラクターがみんなどっか歪んでて面白い。

友達、だと思っていたら自分狙いのレズビアンだったりとか。
とにかく出てくる人たちの思いはみんな空回りしながらすれ違っていく。

でもみんなその交わらない思いを直視するのが嫌で
倒錯していくんだよね。
倒錯っつーか、逃避なんだよね。

みんな辛い現実を直視できずに、偽りの関係で、傷を舐め合う。
お互いの傷を舐め合う共依存だから、それはそれで甘美な関係。
傷を舐め合いながら自分の叶わない思いを再確認して再強化していく。

なんか、ダメなんだけど、やめられない。
わかっちゃいるけどやめられない、でも人間てそんなもんよね。
そういう人間のクズみたいな本性をとても現代っぽく描いてる。

そんでもって、出てくる女の子がみんな可愛い。

これはこれで現代の文学よね、と思った作品でした。

松谷みよ子に刺激を受けて生まれた手塚風の民話。手塚治虫/ハトよ天まで

ついさっきまで、SF読んでたかと思うと、今度は一転して民話調の物語になるという
この幅の広さは本当にすごい。。

全集を端から読んでいくとあらゆるジャンルを開拓しちゃってるなぁ、と改めて感じられる。

ちなみに、基本は民話調なんだけど、少しだけSF要素が入っているのも本作品の特徴。

あとがきに依ると、松谷みよ子『竜の小太郎』に刺激を受けて描いた作品とのこと。

龍の子太郎 (講談社青い鳥文庫)

龍の子太郎 (講談社青い鳥文庫)

松谷みよ子と言えば絵本や児童文学で有名。

いないいないばあ (松谷みよ子 あかちゃんの本)

いないいないばあ (松谷みよ子 あかちゃんの本)

これとか今なお、売れてる絵本。
でも、絵本だけじゃなくて、民話や神話をまとめた本も出している。
『現代民話考』はいつか読もうと思って読めていない本だったりする。

これを機にとりあえず買っておきたい気分になってきたなぁ。

まぁ、それはさておき、本作はそういった民話風の作品で、
天狗が出てきたり、蛇が助けてもらった恩返しに、母の姿をして子供を育てたり、とか。

『来るべき世界』などとは違って、話をかなり文字で補っている作品でもある。
ナレーションのように物語を説明する文字列があって、ストーリーを補完している。
これが文字なしだったら、『来るべき世界』のように話が所々飛ぶような、
妙な作品になっていた気がする。

ただ、本来はそこを言葉で説明するのではなく、
コマで見せるべきなんだけどね、漫画としては。
そんなことをしたり顔で手塚治虫に言って見たところで意味ないので、別にいいんだけど。


支那虎が好きだ。名脇役ランキングでもヤムチャと張るくらいの名脇役だろ、これ。車田正美/リングにかけろ1

車田正美の『聖闘士星矢』にどハマりした世代なので、
リングにかけろ』は1世代前なのよね。

だからこれまでも読んだことないまま過ごして来たのだけど、
週刊少年ジャンプ50周年ということで、
六本木のジャンプ展に行って来たら昔のジャンプ作品とかも
たくさん読みたくなってしまったのでした。


リングにかけろ1 1

リングにかけろ1 1

ギャラクティカ マグナムっていう技があるってことは
なんとなく知ってたよ。
でもね、それてっきり主人公の必殺技だと思ってたのよ。


読んで見たら違うのね、主人公のライバル的なキャラクター、剣崎の必殺技なんだね。


昭和の漫画は描かれるハングリーさが違うっていうか、
不幸の描き方が容赦ない。

子供を育てるためと思って母親が再婚するんだけど、
その義父が飲んだくれのクソ野郎。
この義父のクソ野郎ぶりが半端なくて、
姉弟は家出して、ボクサーを目指すっていう話。


で、いろんなライバルと戦いながら成長を遂げ、
いつしか敵が味方になりより強大な敵に立ち向かうという
ジャンプの王道バトルものの展開。

個性豊かなキャラクターがたくさん出てくる漫画ではありますが、
ひときわ輝くお気に入りが支那虎一城。

manga.te28.net

ドラゴンボールで言うならヤムチャ的なポジション?
それは言い過ぎ??


序盤はかなり思わせぶりな登場したくせに、
お話の都合なのか、主人公との戦いでは瞬殺されると言う
ものすごく雑な扱いを受けてしまうと言う鮮烈なデビューを飾ったこのお方。


それなのに、再び強そうなキャラとして登場して来た時には、
車田正美、適当すぎる!と思わず笑ってしまった。


ラスト付近では自らの腕を犠牲にする決死の必殺技「円月剣」を生み出すんだけど、
もうボクシングはできない身体になった、、、、はずなのに、
しばらく後のお話では、実にカジュアルに「円月剣」を打ちまくると言う暴挙にも出る。
それが支那虎。


まだ読んだことがない人は、支那虎の勇姿を見るためだけに読む価値があると言える。
久しぶりにいいキャラに出会えたなぁ。満足。

ちなみに支那虎の元ネタはフランク・シナトラだと思うけど、
別に名前以外は特にモチーフにしてない気がする。

シナトラは歌手だけど映画スターでもある人物。
男性ジャズ・ボーカルの歴史では欠くことのできない人物。
まぁ、ジャズという枠を超えてスターになった人だけど。

色々アルバム出してるけど、とりあえず聞くなら『スイング・イージー』で間違いなし。

スイング・イージー

スイング・イージー

ちなみにフランシス・フォード・コッポラ監督の名作『ゴッド・ファーザー』で、
ドンを頼ってくる落ち目の歌手(映画の主役が欲しいって頼んでくるやつね)は、
落ち目の時のフランク・シナトラがモデルと言われています。

映画はもちろん、マリオ・プーヅォの原作も面白いよ。
高校生の時に映画にハマって、アル・パチーノかっこいいわ〜って憧れて、
その勢いで原作の小説も読んじゃったのは懐かしい思い出。


ゴッドファーザー 上 (ハヤカワ文庫 NV 54)

ゴッドファーザー 上 (ハヤカワ文庫 NV 54)

ゴッドファーザー 下 (ハヤカワ文庫 NV 55)

ゴッドファーザー 下 (ハヤカワ文庫 NV 55)

ゴッドファーザー〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)

ゴッドファーザー〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)

ゴッドファーザー〈下〉 (ハヤカワ文庫NV)

ゴッドファーザー〈下〉 (ハヤカワ文庫NV)

映画見たことある人は多いけど原作読んでる人ってほとんどいないよね。

うん、話が飛んだけど、支那虎はいいキャラだよ!

リングにかけろ1 1

リングにかけろ1 1