人の本性とか、本能とか、そういうものを抉るような作品が好き。
綺麗事じゃなくて、本能に理性が勝てない、みたいな瞬間をちゃんと描けるやつ。
頭で思った通りになんか物事は進まないし、
人間はなんだかんだ色んな欲望にまみれている。
その欲望と個々人がそれぞれのバランスで折り合いを
つけながら社会生活を営んでいると思っているのだけど、
その折り合いのつけ方こそが個性。
きっと他人からすれば意味がわからない折り合いのつけ方ってのがあるわけで、
端から見れば変態だなぁ、と思うようなことも、
当人の中では大事なバランス制御なんだろうなと思ったり。
あるいはバランス取るつもりがバランスが崩壊しているパターンもあるのだろうけど。
- 作者: 押見修造
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2012/09/07
- メディア: Kindle版
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まぁ、何言ってんだかって感じだけど、
とにかく人間の醜い欲望が描かれる作品てのが大好きです。
人間だもの。
聖人君子ヅラしてる人は信用できなくて、むしろそういう人の欲望を覗き見したい。
押見修造は、そういうどろっとした人の暗部に切り込むから好き。
他の作品も一貫して人の性(サガ)みたいなものに向き合っているし、
中二病っぽいやや過剰なテンションも押見作品のスパイスだろう。
あと、そんな押見作品の本筋からは特に関係ないかもしれないけど、
あるある的な人間観察もしっかりできてるのも面白さの秘密か。
例えばこんなの。
もちろん戯画化されたステレオタイプな表現なんだろうけど、
鬱陶しさを見事に再現できてるよなぁ、と感心してしまった。
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