Book Select 本を選び、本に選ばれる

読んだ本にまつわる話を書き綴っていくことにしました。マンガが大半を占めていますが小説も好き。マンガはコミックで読む派。本は買って読む派なので常にお金と収納が足りません。例年1000冊以上コミック読んでます。ちなみに当ブログのアフィリエイト収入は昔は1000円くらいいった時もあったけど、今では月200円くらいです(笑)みんなあんまりマンガは買わないんだなぁ。。収入があった場合はすべて本の購入に充てられます。

今年度、ビジネスマンが読むべきマンガ大賞を選ぶとしたらこれになるんじゃない? 山田胡瓜/AIの遺電子

ビッグデータ機械学習ディープラーニング、AIと、
猫も杓子もそんなようなことを口にしだしている今日この頃だけど、
AIをテーマにした近未来の世界を描いた作品。

チャンピオン連載ということで、まぁややマイナーなのだけど、
IT少しでもかじってるような人たちには楽しめる作品のはず。

UI/UXの世界で著名な深津貴之さんが
めっちゃオススメしてて、静かに盛り上がってきている感じ。
確かに素晴らしい作品だから、うまくプロモーションしたらもっと売れるはず!
ていうか、もっと売れて欲しい!!!
と、自分も読んでみて全力応援モードになったのでした。


お話の世界はAIが当たり前のように実用化された近未来。
人とロボット、そしてその中間に位置するヒューマノイドがいる世界。
そして、人とロボットの境界線ってなんなのだろう?というテーマが
1話完結型のお話として次々と繰り出される。

読んでる感覚としてはブレードランナーの変奏曲をすごい勢いでたくさん見ている感じ。

1話、1話示唆に富む内容でこのクオリティを維持し続けているのは結構驚異的。
正直2、3巻でネタ切れるかな、と思ったんだけど7巻まで出た今でも面白い。

電脳を移し替えれば、それは同一の人なのか、とか
自分の記憶なのか、作られた記憶なのか、とか
脳や感情に対してパッチを当てるように修正していくことが可能になったとしたら、
それは自由意志があるって言えるのかな、とか
ロボットには人間らしい振る舞いを禁止する必要があるとか、
もうほんと様々なテーマ、アイデアの宝庫。
そして、これってもしかすると自分たちが生きてる間に
現実の問題として直面することになるのかもしれない世界なんだよね。

読後感はAIをテーマにした星新一ショートショートを読んでる感覚なんだけど、
最近読んだ別の漫画でもなんかアイデンティティー系の話あったなー、って思ったんだよね。

きまぐれロボット (角川文庫)

きまぐれロボット (角川文庫)

なんだっけなーって考えてたら、思い出しました。
全然、違う作品なんだけど、こちらも注目の作品、『亜人』でした!

亜人(1) (アフタヌーンコミックス)

亜人(1) (アフタヌーンコミックス)

死なない/死ねない 亜人が人類から迫害されてる話なんだけど、
亜人はどんな傷を負っても再生できるのよね。
だから頭切り離されると頭が再生しちゃうわけ。
でも、頭が再生しちゃった亜人は果たしてそれまでと同じ人と
言えるのだろうかっていうテーマがあの作品にも潜んでいるんだよね。

アイデンティティ問題を孕んだヒット作品がじわじわ増えて来ているような気がしていて、
それもまた世相を反映しているって言えるレベルまで売れるかどうか、ちょっと注目してる。

いずれにせよ、『AIの遺電子』もっと全力で口コミが広がると良いなぁ。
すごく楽しみな作品。

未読な方は今すぐ1巻読んでみることをお勧めしますよー!!