Book Select 本を選び、本に選ばれる

読んだ本にまつわる話を書き綴っていくことにしました。マンガが大半を占めていますが小説も好き。マンガはコミックで読む派。本は買って読む派なので常にお金と収納が足りません。例年1000冊以上コミック読んでます。ちなみに当ブログのアフィリエイト収入は昔は1000円くらいいった時もあったけど、今では月200円くらいです(笑)みんなあんまりマンガは買わないんだなぁ。。収入があった場合はすべて本の購入に充てられます。

処女作かつポワロ初登場。 アガサ・クリスティー/スタイルズ荘の怪事件

アガサ・クリスティの処女作にして、名探偵ポワロ初登場。

資産家の女性が年下の男とくっついて、
周囲からとやかく言われてるところで、死ぬ。

義理の息子?旦那?それとも??

犯人はこの中にいる的な状況で起きる死亡事件を
その場に居合わせてしまったヘイスティング氏の依頼で調査することになったのがポワロ。
ヘイスティングは悪いやつじゃないんだけど、ポワロの引き立て役で凡庸なキャラ。
まぁ、探偵ものにはこういった引き立て役が必要なわけだ。

スタイルズ荘の怪事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

スタイルズ荘の怪事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

そもそも自分はあまり推理小説やミステリーの類を読んでいない。
気楽に楽しめる娯楽としていつか読もうなんて思っていたけど、
Kindleで半額セールがやっていたもんだから、図らずもそれがきっかけになった感じ。

推理ものって子供の頃、赤川次郎の三毛猫シリーズを少し読んだ記憶があるけど、
基本的に種明かしをされるとなんか釈然としない気持ちになる。
敬遠してたのってその釈然としない気分が嫌だったからってのもあるのかもな。

でも大人になった今は、その釈然としなさも含めて楽しめる気がする。
というか、別に人が死ぬ、犯人は誰なのか、その種明かし以外にも面白い要素はある気がする。

スタイルズ荘はこのトリックがどの程度すごいのかはよくわからないけれど、
作者が読者にこいつは犯人じゃない、と思い込ませてからひっくり返すっていうことがしたかったんだろうな。

その試み自体はあー、なるほどって思いました。

あと、唯一読んだことがあった『春にして君を離れ』にも通じるんだけど、
凡庸で退屈な田舎の暮らしの息苦しさみたいなものが時折出てくるよね。

www.book-select.com

春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

大して読んだわけじゃないけどそれってクリスティ自身が感じている閉塞感であり、
息苦しさのようなものが時折顔を出してきてるってことなんだろうな。

「あなたにはわからないわ、わかりっこないわ、このいまわしい屋敷が、わたしにとってはずっと牢獄だったことなど!」

本作品の中にもこんなセリフが。
クリスティーの作品に出てくる女性は何かしら制度や伝統、
社会的な良識みたいなものに抑圧されてる。

トリックがどうとかよりも、
そういった描写がちょっと面白いから意外とハマってしまうかも。


スタイルズ荘の怪事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

スタイルズ荘の怪事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

プロレス見たことない初心者でも本としてはおもろい。 原田久仁信・梶原一騎 /プロレススーパースター列伝

プロレスには全く興味がなかったのだけど、
ここにきて、にわかに関心が。

なんというあの演出という名のやらせというか、
そんなアホなとツッコミを入れたくなるような世界観。

スターレスラー、一人一人のエピソードもツッコミどころ満載で、
なんというかこの壮大な作り物の世界が実は楽しいんじゃないかと思い始めてきた次第。

で、出会ったのがこの本。

梶原一騎が原作で、昭和のスーパースターレスラーのエピソードを取材し漫画にしたものなのだけど、
これがまぁなんとも香ばしい面白さ。
どんだけ人間離れした怪人なんだっていうエピソードが目白押しかと思えば、
苦労話、人情話も出てくるのだが、往々にして大袈裟だし、
梶原一騎的男臭い価値観がストレートに出ていて、それも面白い。

苦労話なんかでいうと、例えばこんなの?

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涙でパンを食ったことのあるやつしか、ってくだりとか実に男臭いフレーズでおもろい。

他にもこの漫画の特徴としては、猪木コラムがあること!
例えば下の見開きの右上のコマがその猪木コラム。

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猪木が自分とその選手の思い出を語るコーナーなのだが、
基本猪木は猪木凄いをベースにしながら話す。
まぁ、凄いんだろうけど、その上から目線も結構ツボ。

というわけで、今更だけど、昭和のプロレスが見たくなった今日この頃。
昔、燃えろ!新日本プロレスっていう分冊百科あったよなぁ。
あれなんかが入門にはちょうど良いような気がしてるんだけど。。
オークション漁ってみようかしら。


子どもとは1日30分がっつり遊ぶ! Emi/子どもと一緒にこんなこと。

年末の大掃除で夫婦の蔵書を整理して、自炊しているのだけど、
妻の本を見ていると普段の自分の興味とは違う本も読んでみようかなという気分になってくる。

で、読んでみたのがこれ。

子どもと一緒にこんなこと。 ~あそびと暮らしと部屋づくりのアイデア~ (OURHOME)

子どもと一緒にこんなこと。 ~あそびと暮らしと部屋づくりのアイデア~ (OURHOME)

著者は整理収納アドバイザーでブロガー。
お子さんは双子らしい。

OURHOME official website by Emi

子供がいると、部屋はなかなか片付かないし、
モノは増える一方だし、整理収納的なものへの関心が高まる。
しかも何つーか丁寧な暮らしっぽいのにも憧れちゃうよね。

現実はドタバタで仕事で疲弊して殺伐としてたりすると、
余計そういう暮らしへの憧れが刺激される。
まぁでもあまりそういうのを真に受けるのもプレッシャーよね。

でも、どんな本でも学びや気づきはあるもので、
この人たちみたいな暮らしは無理だなー、と思いつつも
そうだよねー、と思うところしきり。

特になるほどーと思ったのは子供との時間の取り方に関して。

「おかあさん、あそぼ~!」と声をかけられても、ごはんをつくりながら、洗い物をしながら、の「ながらあそび」が続くと、子どもたちのイヤイヤがひどくなり、双子同士のケンカがはじまったり。
そんなとき、ふと目にしたテレビで、「1日ずっと、しっかり向き合って、遊ばなくては……と思わなくても、集中して1日30分、しっかり関われたら十分ですよ」と、ある教育関係の方が、おっしゃられていました。

Emiさん自身、これを聞いてなるほど、と思って実践してるらしい。
確かに1日30分だけがっつり子供と遊ぶって思えばできる気がする。
目標も明確だし、30分の時間をどこで捻出するかってだけの話。
特に男性にはこういう定量的で具体的な目標設定の方がわかりやすいかもな。

あと、旦那さんへのインタビューで、ひたすら子供を褒めるって言ってた。
いい所を探して褒める、これ大事だよな。
でも相当意識してやらないと叱るばかりになってしまいがちなので、
夫婦ともに気をつけないとな、と思った今日この頃です。

子どもと一緒にこんなこと。 ~あそびと暮らしと部屋づくりのアイデア~ (OURHOME)

子どもと一緒にこんなこと。 ~あそびと暮らしと部屋づくりのアイデア~ (OURHOME)

やっぱりこの人は昔から只者じゃない・・・ 山本英夫/おカマ白書

単なるおカマのラブコメディかと思いきや、一筋縄ではいかないのが山本英夫だ。

男性が女装をするというある種、倒錯的な設定で、
秘密を抱えながら生きていくギャグ漫画なのだが、
アイデンティティとか、トランスジェンダー的なテーマを抱えながら、
二重三重に倒錯していく。

おカマ白書 1巻

おカマ白書 1巻

最初はのりで女装してみたら、美女が出来上がっちゃったって所から始まり、
その女装姿にそっくりな女の子に主人公が惚れる。
その子と女装姿で友達になりながら、男としては一歩を踏み出せず、、、てな話なのだが、
女装している自分自身も周囲の人間も女装姿の虚像に惹かれていく。

いつしか理想の女性が自分の女装姿になっていって、
どちらが主なのかもわからなくなってくる。
男なのか女のか軸足がどちらなのかも曖昧になってしまい、
アイデンティティの危機でもあるのだけど、
ここからラストはもう一ひねりしてくるから、やっぱり山本英夫、すごいな、という感じ。

絵は少し古くさく感じるかもしれないけど、
この才能の切れ味の良さは色褪せないと思うので、未読の方は是非。

おカマ白書 1巻

おカマ白書 1巻

とにかく脈絡なく脱ぎまくるギャグエロ漫画。 みやすのんき/やるっきゃ騎士

読んだことなかったから、ただのギャグエロ漫画と知ってちょっと驚いた。。

まぁ、エロと言ってもたかが知れてるんだけど、
昔の漫画は脱ぎっぷりが良いというか、
とにかく脈絡なく脱いで、脱いで、脱ぎまくる感じ。

もうストーリーはどうでもいいし、
読者もきっと物語になんて期待していない。

妙に下手くそな絵なんだけど、それでもいいから早く脱げって感じなんだろうな。
でも、本当に絵が下手くそだから、それはそれでちょっと面白かった。
女の子の肩幅やばいことになってるし。。。

ちなみに一番気に入ったくだらないシーンはこれ。

二人の女に誘われる主人公、
誘惑されるたびにあっちにフラフラ、こっちにフラフラした末に、
さぁどっちか決めろ、と迫られて・・・

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まさかの歌舞伎かっ!

このノリは好きだな。

それと、電子化にクリーク・アンド・リバーが絡んでいるのね。
手広いね。しかしまぁ、なんでそこにやらせたのか謎。

リストランテ・パラディーゾシリーズだけど、老人萌えなだけ。 オノ・ナツメ/GENTE

オノ・ナツメは、独特の雰囲気のある絵を描く人。
腐女子ファン多そうだけど、おしゃれファンも多い?

で、これは老人萌え。
フロアが皆老眼鏡かけた初老のおじさん限定っていうレストランの話。

GENTE コミック 1-3巻セット (Fx COMICS)

GENTE コミック 1-3巻セット (Fx COMICS)

まぁ、いろいろな萌えがあるのはわかるけど、
そういう話は別にして、普通につまらん。

この人ので一番面白いのは『ふたがしら』だと思うな。
途中までしか読んでないけど。
でも最近完結したらしいから、『ふたがしら』を読めばいいと思う。

同じレストランシリーズでも、最初の作品の方が良かった感じがするけど、
そっちもほとんど覚えてないから、そのうち読み直してみるかな・・・。


GENTE コミック 1-3巻セット (Fx COMICS)

GENTE コミック 1-3巻セット (Fx COMICS)

どうしてこの人の描く漫画はこんなに雰囲気があるんだろう。 山本直樹/あさってDance

大学を卒業して結婚して一人前の社会人になれたら、
遺産が相続されるというサプライズと、
朝起きたら女がいたというサプライズで始まるこの物語。

女の素性はよくわからないし、遺産目当てで近づいてきているのかも、
なんて憶測もある中、冴えない主人公も次第に彼女に惹かれていく・・・。

てな感じのちょいエロのラブコメ

あさってDance 1

あさってDance 1

あさってDance 2

あさってDance 2

あさってDance 3

あさってDance 3

あさってDance 4

あさってDance 4

ただ、ストーリーはどうでもよくて、
なんとなく気だるくて、自由なんだけど閉塞感がある
あの大学時代の空気とか、
性がタブーな感じじゃない極めて素直なヒロインとかを
いつまでも眺めていたい、そんな漫画。

どうしてこの人の描く漫画はこんなに雰囲気があるんだろう。
不思議。そして魅力的だ。

あさってDance 1

あさってDance 1

あさってDance 2

あさってDance 2

あさってDance 3

あさってDance 3

あさってDance 4

あさってDance 4