いつの間にやら52巻も出ている長寿作品になっているけど、
今まで全く読んだことがなく・・・。
舞台の噂は聞いてたんだよ、ハンドルだけ握った人たちがめっちゃ漕いでる舞台だって。
滑稽に聞こえるかもしれないけど、その姿はマジで乗ってるみたいに感じられるらしいぜ。
で、ずっと気になっていたので一気読み。
主人公は冴えないオタクの小野田坂道くん。
千葉から秋葉原まで電車賃を浮かすために自転車で通っていたという生粋のオタク。
その日課が彼を強靭な自転車乗りとして育んでいたとは・・・っていう流れ。
先輩や同期に恵まれ、自転車を通じて成長していく青春もの。
そしてある意味ジャンプよりジャンプらしい友情、努力、勝利が詰まってる。
自転車競技がこんなにチームワークの必要なものだとは思いもよらなかったし、
ものすごいカロリーを消費する過酷なものだってことも知らなかった。
ただ、周りにも数人自転車乗りはいるので興味は持ってたんだよね。
『じこまん』読んだ時も、ちょっと欲しいなって思っちゃった。
ただ、危ないは危ないんだよね。。。
めっちゃスピード出るしさ。
自民党の谷垣元総裁は自転車の事故で頸髄損傷してしまって政界引退にまで至ってしまっている。
それでもちょっと乗ってみたいなぁ、とこの漫画を読んだら思いました。
家族でサイクリングとかしてみたい。
基本的に恋愛要素がなく、キャラの濃い男子ばかりが出てくるあたり、
腐女子の心もがっつり掴んでるんだろうなぁ。
男同士の友情とか信頼とかそんな熱いやりとりが、
ストレートに繰り出されてて、ここまで素直に迸ってる感じも
今の時代の漫画には少なくて新鮮なんじゃないかなぁ、と。
悪役、ライバル役の御堂筋くんが最高に気持ち悪くて、
暑苦しい男の友情物語に対してこれでもかというくらい揺さぶりをかけてくれる。
思いつく限りの罵詈雑言を浴びせ、動揺させ、勝利に執着する姿は、
主人公たちに感情移入するための重要なファクター。
御堂筋くんがおらんようになったらこの漫画の魅力は7割減してしまうんじゃなかろうか。
というわけで、名悪役ランキングがあれば上位にランクインすることは確実。
それと主人公がアニソン歌って加速するとか最高の設定だよね。
でも最近、彼のオタクぶりが炸裂してなくてただのいい人になってしまってる気がする。
彼はオタクであるからこそ魅力的なのだ。
ただのいいやつにならないでくれー、と最近の展開を見て思ったのでした。