Book Select 本を選び、本に選ばれる

読んだ本にまつわる話を書き綴っていくことにしました。マンガが大半を占めていますが小説も好き。マンガはコミックで読む派。本は買って読む派なので常にお金と収納が足りません。例年1000冊以上コミック読んでます。ちなみに当ブログのアフィリエイト収入は昔は1000円くらいいった時もあったけど、今では月200円くらいです(笑)みんなあんまりマンガは買わないんだなぁ。。収入があった場合はすべて本の購入に充てられます。

第三部は少年の成長物語でもある。 小川一水/天冥の標 Ⅲ アウレーリア一統

第一部で出てきたアンチヨークス=海の一統のご先祖様のお話。

救世群に続き、アンチヨークスの先祖の物語はこれまた第一部の伏線に
そっと触れながら進んでいく。

関係は明示されないけれど、第1部で地下で発見したドロテアと同一名称の遺跡が出てきたり。
ご先祖様が住んでた街がセナーセーであることもわかった。
だからメニー・メニー・シープに移住した時に故郷の街の名前をつけたのかな??と憶測が広がる。

そして本作の主人公、アダムス・アウレーリアは中性的で魅力的なキャラクター。
強くて偉くて美しいけど、重責を担う中での葛藤も抱えてて、ちょっと脆そうな部分も魅力的。

色んな魅力的なキャラクターが出てくるけど、
アダムスはとりわけ絵になる主人公って感じのキャラ。

窮地を乗り越えていく様は少年マンガっぽくもあり、
アダムス自身の成長も描くビルグンドゥスロマンでもある。

シリーズを通じてやりたいこと全部やるってのはこういうことか。
物語の型というかジャンルもその時々で使い分けながら進んでいく。

いやー、見事だよね、面白い。