両親を殺されたオークションハウスのMD(マネジメント・ディレクター)が主人公。
驚異的な美術の知識と鑑識眼で贋作を見抜いていく、やがて親を殺した犯人を
見つけ出し、そいつに復讐するために、という話だったはずなのだが・・・
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- 発売日: 2012/12/01
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いつの間にか、美術とかどうでもよくなってくる・・・。
とにかく命を狙われまくり、女を抱きまくり、
敵を倒しまくる。
読み終わってから振り返ると最初は美術系マンガっぽかったのにな、と思う。
そして、最初は美術系マンガっぽかったこと、それ自体がなんか妙にウケるってなってくる。
本当に最初の頃は、『ギャラリーフェイク』的な雰囲気もなくはなかったのだが・・・
ギャラリーフェイク 全32巻完結(ビッグコミックス) [マーケットプレイス コミックセット]
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話が進むごとにマッチョになってる気がするのだが、
主人公が筋肉隆々になればなるほど、美術は関係なくなっていく。
こんなのが昔ヤングジャンプに連載されていたというのだから驚きだよなぁ。
でもこれだけ長編になってるてことはそれなりに当時の読者たちの支持も得ていたのだろう。
そして、サービス精神が旺盛すぎて、頻繁にエロシーンが出てくる。
ゴルゴ13なんか典型だけど、こういう劇画の主人公って、
とにかく腕は立つし女にも強い。
世界チャンプの女にもズキーンと惚れられてしまう男の中の男。
それにしてもエロシーンもいちいち面白い。
「惚れちまったンだよ〜〜ッ!!」
そんなアホな!と突っ込みたくなる展開のオンパレードなので、
とりあえず20巻くらいまでは退屈しないはず。
逆に言うとそれくらい読むともうこの漫画が、ゴールを見失い、
ひたすら同じパターンを繰り返していることに薄々気付き始めるはず。
正直最後の10冊分くらいは蛇足だし、ラストは可哀想なくらいしょぼい終わり方だ。
それでも、こんなにくだらなくて、自由な物語が今は全然なくなってしまった。
荒唐無稽さが持つ、わけのわからないエネルギーみたいなものを感じられる作品。
そういう点は、『サンクチュアリ』に似てるかも。
そして、小池一夫と池上遼一の境界線が自分の中で曖昧。
この二人、なんか似てるよね。
劇画って絵のテイストだけじゃなくて、物語のテイストにも一定の共通点があるんだな。
いずれにせよ、Kindleで安売りしてたから買ってみたのだけど、想像以上に掘り出し物だった。
だもんだから、似たような作品、まとめ買いしちゃいそう。
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