Book Select 本を選び、本に選ばれる

読んだ本にまつわる話を書き綴っていくことにしました。マンガが大半を占めていますが小説も好き。マンガはコミックで読む派。本は買って読む派なので常にお金と収納が足りません。例年1000冊以上コミック読んでます。ちなみに当ブログのアフィリエイト収入は昔は1000円くらいいった時もあったけど、今では月200円くらいです(笑)みんなあんまりマンガは買わないんだなぁ。。収入があった場合はすべて本の購入に充てられます。

2015-01-01から1年間の記事一覧

没後30年、本当に才能のある画家だと思う。 長谷川智恵子/鴨居玲 死を見つめる男

鴨居玲が好きだ。 初めて見たとき、その日本人離れした絵に衝撃を受けた。 これ、日本人の絵なの??なにこの人、むちゃくちゃ凄いじゃねーか。 しばらく夢中になった。 でも別に手に入りやすい画集があるわけでもなく、なかなか本物を見る機会も少ない。鴨…

女vs女の感情の奔流。でもまぁ、1度読めば十分かな・・・ 中村珍/羣青

旦那に暴行され、浮気される日々が続く女が、 自分に惚れてるレズに夫を殺させて、 二人で逃亡する話。要するに、これは逃避行の話。なんつーか、絵が重くて、ページ数も多いので、疲れる。 あと、この女、アンジェラ・アキにしか見えない。羣青 上 (IKKI CO…

名作だったのだけど、諸般の事情で打ち切られてしまった悲劇の作品 伊藤悠/皇国の守護者

佐藤大輔の同名小説のコミカライズ。 1巻出たのが2005年らしく、もう10年も経っていたのかと驚く。 当時月刊誌への連載だったためコミックは半年に1冊程度のペースで、 非常に焦れったい思いをしたのが思い出。皇国の守護者 (1) (ヤングジャンプ・コミック…

人に勧めるような類の作品ではない、泡沫作品の楽しみ。 佐藤まさき/超無気力戦隊ジャパファイブ

ドラゴンボールや、ワンピース、あしたのジョーに巨人の星、 世代を超えて語り継がれたりする名作がある一方で、 歴史の流れの中で消えていく作品は数え切れないほどある。どちらかといえばそんな泡沫作品の部類に入るだろう作品がこれ。超無気力戦隊ジャパ…

心のどっかに傷を持ってる人たちの再生の物語。 いくえみ綾/潔く柔く

いくえみ綾の代表作。珍しく長編。長編といっても、短編が連なり、長編になっている構造。 物語の中心には4人の男女がいて、このグループの中の男子が事故で死んじゃう。 その事故の記憶とか、心に傷を負った人たち、その周囲にいた人たちが、織りなす群像劇…

濃厚なキャラのオンパレード 板垣恵介/グラップラー刃牙

「刃牙を読んでないなんてありえない」と知り合いの編集者に絶句されたので、 そこまで言うなら読んでみましょうと大人買いしてみた。でもさ、基本的に格闘技とかそんなに興味ないし、 男なら誰でも世界最強の男になりたいと思うもんだ、みたいな価値観は、 …

国立競技場問題で揺れている今こそ、この地味な建築漫画を読む時かもしれない。 冬目景/マホロミ

決してバカ売れするタイプではない通好みの漫画家、それが冬目景。 絵のタッチもオリジナリティがあって、女の子がなんとなく可愛いのもポイント。はまる人は、その絵のタッチにはまってしまうんじゃないかな。マホロミ(1) (ビッグコミックススペシャル)…

サーカスというのは、頽廃的で淫靡な話の舞台としては最適だということ。 中村明日美子/コペルニクスの呼吸

中村明日美子の活躍するフィールドがBL中心であるがゆえに、 一般的に受け入れられていないかもしれないけれど、 この人は天才だと思う。そして、とても変態だ。だから、面と向かって人にオススメしにくいんだよね。 あんまりそういうの抵抗なく鑑賞できる人…

自分の知っているつもりの世界なんてとても狭くて小さい。 岩明均/七夕の国

言わずと知れた、『寄生獣』の人。 で、この作品はあんまり有名じゃないけど、『寄生獣』の次の作品。でもなんとなーく、変な力を手に入れちゃった人、あるいは持ってる人、っていう点で テーマとしては繋がっている気もする。 それと、無意識に過去の価値観…

武器商人のことなんて考えたこともなかったからなんでも読んでみるもんだよね。 高橋慶太郎/ヨルムンガンド

武器商人の女と様々なバックグラウンドを持つ精鋭の私兵たち。武器を欲しがる取引先がいるってことは、その一方で そこに武器を渡して欲しくない勢力がいるはず。 競合他社もある。だから取引は何かと波乱含みで、 行く先々で命を狙われる羽目になる。そんな…

又吉先生おすすめ。脳、意識、宗教、エロ、テロ、右傾化、そんな感じのキーワードてんこ盛りで同時代性抜群な作品。 中村文則/教団X

いま、話題の書。 ピースの又吉が面白いって言ったとかで、 ネットのニュースになってみたり。中村文則は若手の実力派で、色々書いてる。 気にはなってたけど、これが読むの初めてです。教団X作者: 中村文則出版社/メーカー: 集英社発売日: 2014/12/15メディ…

昭和の文藝作品を読んでみたいけど、何読めばいいかわからない人へ。 久世番子/よちよち文藝部

日本の昭和文藝、 一見固そうに見えて、実はとんでもない変人ばかりだった その時代と作品の魅力を伝えてくれる作品、作家紹介的なマンガ。「昭和の文藝作品を読んでみたいけど、何読めばいいかわからない人へ。」って 書いてみたものの、そういう人は読まな…

続きが気になるっちゃ気になるけど、現時点では未完過ぎる・・・ なかむらたかし/キングアビス アダマ篇

『AKIRA』の作画監督が描く伝説の漫画。 これまでコミックが1巻だけ発売されたものの、続刊が出ず、 ほとんどが幻のお話になっていたものを、 すべて収録し全2巻で刊行したものらしい。キングアビス アダマ篇 上作者: なかむらたかし出版社/メーカー: パイイ…

やさしい王子様は意外とドS。 小川彌生/キス&ネバークライ

『きみはペット』の小川彌生が描くフィギア・スケート漫画。 通称、キスネバ。 中でもこれは男女ペアのアイスダンスにフォーカスした作品。キス&ネバークライ(1) (KC KISS)作者: 小川彌生出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/08/11メディア: コミック クリ…

オバサー(Over30)独身女性のファンタジー、ここに極まれり。 藤村真理/きょうは会社休みます。

オバサー(Over30)独身女性のファンタジー。 これはきっとある種のギャグマンガなんだと思う。Over30の処女、未婚の女性が一回り年下の職場のバイト君(大学院生)と付き合っちゃったり 同じビルで働いてる飲食店オーナーみたいなイケメン社長に惚れられちゃ…

見た目的にはBLと百合が混ざってるんだけど、本来の性としてはいたってノーマルなんだよな。 さいとうちほ/とりかえ・ばや

平安時代後期の『とりかへばや物語』をベースにした物語。 源氏物語などに比べると原作を読む機会は少ないかもしれないが、 こういった古典的な物語はかなり面白い、と言うことを再確認。とりかえ・ばや 1 (フラワーコミックスアルファ)作者: さいとうちほ出…

人は世界を言葉で認識している いがらしみきお/I(アイ)

『ぼのぼの』の人なんだけど、最近の作品は重い。 この作品も生と死、神ってなに?みたいな宗教臭い話。I【アイ】 第1集 (IKKI COMIX)作者: いがらしみきお出版社/メーカー: 小学館発売日: 2011/07/29メディア: コミック購入: 5人 クリック: 134回この商品を…

キャラの魅力で突っ走るある意味単純なお話だけど、読んでて気持ちいいんだよね。 田中芳樹/アルスラーン戦記

荒川弘のマンガ化で俄然盛り上がっている『アルスラーン戦記』、 何が驚いたって、まだ原作は完結していないってこと! どんだけ遅筆なんだ。でも原作もいよいよクライマックスに来ているようなので、 マンガ化、アニメ化と合わせて数年のうちに完結するんじ…

BL系じゃない作品を書き始めた頃の初期作品集 えすとえむ/このたびは

えすとえむは元々BL系の作家なんだけど最近は一般ものも書いてる。 『このたびは』は結婚がテーマの短編集。このたびは (Feelコミックス)作者: えすとえむ出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2014/09/08メディア: コミックこの商品を含むブログ (3件) を見るそ…

美男子、寮生活、男子校、なんか少女漫画好きがハマりそうなキーワードがつまってるけど 那州雪絵/ここはグリーン・ウッド

結構男性にも人気がある往年の少女漫画、ということで読んでみた。ストーリーは名門男子校での寮生活。 一癖も二癖もある住人(先輩とか)との生活を通じて、 主人公が成長する姿を描く。ここはグリーン・ウッド (第1巻) (白泉社文庫)作者: 那州雪絵出版社/…

自己中マイペースな主人公には共感するものの。 青桐ナツ/flat

割と人気で話題になった気がするんだけど、 セット価格が崩壊しているので、かなりお買い得かもしれない。内気な少年とだらだらマイペースな高校生男子の交流を描く作品なのだけど、 素直に子供が可愛いって感じの人には向いてるかも。flat (1) (BLADE COMIC…

原作者と揉めてた作品だから、素直に楽しめないんだよね。 浦沢直樹/MASTERキートン Reマスター

浦沢直樹で一番の傑作は何かと聞かれたらそりゃあもう『MASTERキートン』で決まり。 その後の引きは強いけど、自分で広げた風呂敷全くたためない作品群を見る限り、 『MASTERキートン』を越える作品は出てきそうにない。MASTERキートン Reマスター (ビッグ …

読んでるこちらが不安になってくるような狂気。 長尾謙一郎/PUNK

最近、長尾謙一郎の作品がとっても狂っている。元々は普通のギャグ漫画を描いている人だったはずだ。 でも、今は違う。 相当狂ってる。PUNK 1 (ジェッツコミックス)作者: 長尾謙一郎出版社/メーカー: 白泉社発売日: 2010/11/29メディア: コミック購入: 2人 …

すんごい地味だけど良い作品描くよなーっていう人。 鴨居まさね/SWEET デリバリー

自分たちのこだわりをつめたオリジナル結婚式を プロデュースする小さな会社が舞台。ドラマの原作にもなったそうだが、ドラマは見たこと無い。SWEETデリバリー 1 (集英社文庫―コミック版)作者: 鴨居まさね出版社/メーカー: 集英社発売日: 2007/06/15メディア…

青春時代の色々がつまった感じの作品。 沙村広明/『おひっこし』

沙村広明が描く青春モラトリアム漫画。 美大生達のもやもやした青春の具を全部詰め込んで闇鍋にしたような漫画。沙村広明自身、美大生だったから、まぁこんなような 青春時代を送っていたのかも?おひっこし作者: 沙村広明出版社/メーカー: 講談社発売日: 20…

とりあえず奥田民生似の先生と生徒の恋物語に重さと軽さのさじ加減を思う。 いくえみ 綾/I LOVE HER

いくえみ綾は自分がその当時好きだった男に似せて描くそうで、 この時期は奥田民生なんだな、ということが良くわかる。マンガ読む人の間ではとても世評が高いけど、 イマイチ触手が伸びずに来たのが「いくえみ 綾」だった。I LOVE HER 1~最新巻(マーガレット…

普通に良い本なのだけど恋愛小説として読むと最高に笑える。池井戸潤/鉄の骨

ドラマ『半沢直樹』の大ヒットで一躍超有名作家になった池井戸潤。 でも彼はなるべくしてなったと言うか、昔からいろんな業界をテーマにした 面白い小説をたくさん書いている。『鉄の骨』は建設業界を舞台に談合問題を取り上げた小説。鉄の骨作者: 池井戸潤…

ヤンジャンが誇る2大嘘つきマンガの片割れが完結。予想外の闇の深さに驚く。甲斐谷忍/LIAR GAME

『嘘喰い』と平行して連載されていたもうひとつの嘘つきマンガがついに完結。 途中、映画になったりして話題にもなったけど、 要するにロジックと心理戦で人を騙すギャンブルマンガ。窮地に陥るものの大逆転、一体なぜ!?の種明かしがされるから、 そこが一…

作家に取ってもまったく重要でない作品だと思うけれど、それくらい緩い作品も楽しい。 筒井康隆/マッド社員シリーズ

リクルートに請われて書いたものらしいけど、 リクルートの担当はもっと前衛的な物を書いてほしいとか、 言いたいこと言ってたらしく、辟易したみたいな話があとがきに書いてあった。サラリーマンを主人公にした、ナンセンスで皮肉な短編が5本。主人公は更利…

奇想天外、奇妙奇天烈な大相撲マンガの舞台はアメリカ!? 西野マルタ/五大湖フルバースト

相撲を題材にした奇妙なマンガ。 勢いだけはフルバーストの名に恥じない展開。五大湖フルバースト 大相撲SF超伝奇 上 (シリウスKC)作者: 西野マルタ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/02/09メディア: コミック購入: 8人 クリック: 78回この商品を含むブロ…